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てぃくる

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長編小説『ぐりーんふぃんがーずくらぶ日誌』の幕間繋ぎ用に書き連ねてきた小ネタ集を、独立させました。画像と短い文章の組み合わせ。内容は雑多です。
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#枯れ穂

てぃくる 990 骨

夏の終わりに 生まれ出で 秋には 月の埃を箒き 秋の終わりに 冬毛を纏う 冬に抗う間に 痩…

水円 岳
2か月前
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てぃくる 931 にらめっこ

にらめっこしましょ 笑ったら負けよ あっぷっぷ! けっ! 俺が負けるわけねえだろ 口がない…

水円 岳
7か月前
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てぃくる 865 間に合ったのか、間に合わなかったのか

冬の女神は その白く冷たい手で 私を触った 私の体は すぐに生気と張りと色を 失った 失…

水円 岳
1年前
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てぃくる 864 もじゃもじゃ

「なんや、えらいもじゃもじゃしとるな」 「もじもじしとったら、そんな消極的なことじゃあか…

水円 岳
1年前
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てぃくる 816 ぼーっとしている

「暑いからぼーっとなってるわけで、俺らがもともとぼーっとしとるわけやないで」 「ああ」 …

水円 岳
1年前
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てぃくる 646 手出し無用

「おまえは気に食わねえ野郎だが、鉄拳制裁は勘弁してやる」 「それは俺の台詞だ! ごるあ!…

水円 岳
2年前
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てぃくる 635 誰が知るや

 緑なす頃は、誰からも厄介者扱いされていた。  緑を失った今は、誰からも認知されていない。 「昔は誰でも知っていたが、今は誰も知らないってのは、いいことなんかな」 「さあ。芸能人ならそれは寂しいし、悪党なら喜ばしいんだろう」 「そうか? 忘れられたことを喜ぶ引退芸能人もいれば、世間から忘れられることを拒んで悪事を重ねる悪老人もいるだろ?」 「俺は芸能人でも大悪人でもないからわからんわ」 「それもそうか」 ☆ ☆  知られていようが知られていまいが、新たな種子は四方に飛び

てぃくる 624 白い花火

火の点かない 白い花火 陽が当たれば輝き 翳れば消える 君は もっと他の色で輝きたいと 望ん…

水円 岳
2年前
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てぃくる 397 今在るもの

始まりは終わりに向けて 終わりは始まりに向けて 何もかもが入れ替わる 在ることすら許されな…

水円 岳
2年前

てぃくる 83 白いカラス

 命題 『全てのカラスは黒い』ことを証明せよ。  対偶命題は『全ての黒くないものはカラス…

水円 岳
2年前
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てぃくる 64 光と影とわたし

 セイタカアワダチソウの枯れた花穂。種子の冠毛が光を集めて、銀色に輝いています。もふもふ…

水円 岳
2年前