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てぃくる

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長編小説『ぐりーんふぃんがーずくらぶ日誌』の幕間繋ぎ用に書き連ねてきた小ネタ集を、独立させました。画像と短い文章の組み合わせ。内容は雑多です。
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2022年7月の記事一覧

てぃくる 796 あまり変わらない

「なあ」 「うん?」 「俺たち、まだ咲いてないから地味だよな」 「咲いても地味だよ。あまり…

水円 岳
1年前
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てぃくる 795 花より団子

 満開のゲッケイジュ。  香り高い乾燥葉はローリエとして料理に使われますが、花には強い匂…

水円 岳
1年前
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てぃくる 794 くす玉

 成功者の頭上でくす玉が割れる。  くす玉から出てくるのは取りに足らないものばかりだが、…

水円 岳
1年前
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てぃくる 793 おたずねもの

「変装したんだけど、すぐにバレちまった。完璧な変装だと思ったんだけどなあ……」  なんに…

水円 岳
2年前
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てぃくる 792 同じ穴のむじな

「雑草っていやだよね」 「はびこるだけはびこって、なんの役にも立たないし」 「抜くのも大変…

水円 岳
2年前
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てぃくる 791 態度がでかい

「納得行かんよなあ」 「態度がでかいって言われたってなあ」 「こやってアップだから大きく見…

水円 岳
2年前
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てぃくる 790 サービス過剰

景気悪い話ばっかりやろ? そういう時はけちけちしたらあかんねん。 どばあっと出したらな! 「おばちゃーん。このビール、泡しかないがな!」  シュロの花。ものすごーくいっぱい咲くんですが、幸い虫媒花です。これで花粉がばんばん飛んだら、花粉症持ちにとってはきっとしゃれにならないですね。  花としては、来てくれる虫たちにたっぷりサービスしないと受粉効率が上がらないってことなんでしょう。  シュロは暑さ寒さに強く、丈夫で世話に手がかかりません。大きくなると言っても何十メートルに

てぃくる 789 青年の悩み

「うーん……」 「どうした? 何を悩んでいる。先生に言ってごらん」 「いや、世の中理不尽…

水円 岳
2年前
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てぃくる 788 見果てぬ夢

 俺は今、大勢の聴衆を前にして大演説をぶちかましている。誰もが俺の一言一言に真摯に耳を傾…

水円 岳
2年前
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てぃくる 787 二人羽織

 ちょっとしたお遊びの提案です。お遊びというよりアタマの柔軟体操ですね。  二人羽織。み…

水円 岳
2年前
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てぃくる 786 桜?

 桜ってのは、いい加減に使われ過ぎだと思うぜ。  セイヨウミザクラはまだわかる。間違いな…

水円 岳
2年前
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てぃくる 785 かしましい

「女三人寄れば姦しいっていうけどさ、ひどい言い草だと思わない?」 「いや、あたしら草だか…

水円 岳
2年前
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てぃくる 784 向こうの世界

向こうの世界には 何があるんだろう 向こうの世界には こっちよりいいものがあるのかな それ…

水円 岳
2年前
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てぃくる 783 備えが甘い

「お客さん! 押さないでください! 商品はたくさんあります。きちんと並んでください! 整列入店にご協力ください!」 「あんちゃん、あんちゃん」 「はい?」 「あほか。客の数と警備員の数が全然合うてへんがな。あんた、ひょろっひょろやし」 「あああっ! テープくぐって入らないでくださーい!」  危機一髪に見えるかもしれませんが、大丈夫。  彼らの足は地面につながっていて、動けませんから。  それにしても。  何に殺到してるんでしょうねえ……。 難しく考えるなと春の雲 (2