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絵本担当と出版社⑫

営業さん〜その3

続く営業さん話。
もう少々お付き合いください。

●正社員で営業と編集を兼ねている
●正社員で営業のみ行っている
●契約社員で営業のみ行っている
●営業代行会社の社員

の分類のうち、まだ触れていない2番目と4番目の方達について。

私が勤務する店舗は、絵本のパネル展や、著者のサイン会、100タイトルを超えるような大掛かりな出版社ファアを行うことがあります。(コロナ禍で以前より減っていますが)

そのような時に頼りになるのは、
●出版社の正社員の営業専門の担当
です。(仮に出版営業さんとします)

初めに話を持っていくのはラウンダーさんへの事が多いですが、最終的に詰めの打ち合わせを行うのは出版営業さん相手になります。

パネル展の時はパネルの作成や大量のノベルティなどの用意を依頼します。

作家さんに来店してもらうサイン会の時は、ポスターやチラシの作成、作家さんとの連絡や事前予約の方法の打ち合わせ等、たくさんのお願い事が出てきます。

大量に発注しなければならない出版社フェアの時も、該当書籍のリスト等をお願いすることになります。

このような時に快く動いてくれる出版営業さんだと、本当に仕事がやりやすくなります。

出版営業さんも、宣伝にも成績にもなるとのことらしく、このような依頼の時は積極的に動いてくれます。

但し、上記ような時に、特に大手出版社の出版営業の人が直接来店する事はあまりありません。(サイン会は別ですが)
たまに熱心に頻繁に顔を見せに来てくれる人もいますが、そちらのほうが稀なケースです。

多忙故とは思いますが、ほとんどメールか電話、ラウンダーさんを通じてのやり取りになります。
そのため、名前は知っているけれど顔は知らない担当の人もいます。

パネル展や出版社フェアを大規模に仕掛けているのに、何故見に来ないのかなぁと思いますが、大きい数字を見慣れていると、各店での展開や売上はあまり興味がないのかもしれません。

なので、出版営業の人達は私個人からみると、頼りになるけど親しみは持てない人たちという印象です。
まぁ、向こうも私の親しみは求めていないと思いますが…。

大手以外の中〜小規模な出版社の出版営業の人達になると、また事情が異なります。
このタイプの方達は圧倒的に年齢層が高めの男性が多いです。

長年営業をされている人達なので、ラウンダーさんのように頻繁に来店します。
ただ、押しは強いですが無理強いはしないし、店長や本部の人とも知り合いの場合が多いので、在庫調整や棚卸しなどの書店の事情も察してくれます。
業界トーク等もあるので話が長めになるのが
場合が多く、忙しい時は困ることもありますが、面白い話を教えてくれる事が多い気がします。

唯一、自分の出版社の書籍への愛情がちょっと薄いかなぁと感じられる所が欠点といえば欠点になるでしょうか。
“熱意”みたいなものは、若い営業さんからのほうが感じられる気がしますが、これもキャリア故なのかもしれません。


最後に、書店営業代行会社の営業さん。
私が勤務している店には2社の営業代行会社が出入りしています。

このタイプの営業さんは一様に括れません。年齢も性別も様々で、信頼出来る人もいれば、朝イチ電話·当日訪問の猛者もいる…という感じ。

営業代行会社は、自力で営業をしない出版社の新刊案内や既刊フェアの案内を行う所。

営業の人達も、複数の出版社のチラシを一度に持ってきます。
店に送られてこない注文書を持っていることもあるので助かりますが、書籍の詳しい内容など踏み込んだ事までは把握されていないことが多いので、郵送とあまり変わらないなと思ってしまうことも。
自分の所属する会社の出版物ではないので、熱意を持って紹介するのもなかなか難しいのかもしれません。

ただ、代行の営業さんの中でも、担当の出版社があって、その出版社の案内だけをする人もいたりして、私も実はあまり良く仕組みがわかっていません。


今まで長々と書き連ねてきましたが、
私が営業の方達に求めるのは、

幅広い担当書籍の知識
書店業務への理解
適正な新刊·既刊書籍の入荷
細やかな在庫の確認
この4点です。

お客様と書籍を結びつけるための媒介を果たす役割であるのは同じ。
お互い気持ちよく仕事をしていきたいものだと思います。

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