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ドイツで保険使う or 使わない、どっちがいい?
ドイツは世界でも珍しく心の治療に全額保険適用される恵まれた国です。
ドイツ在住で治療の必要性を感じていらっしゃる方は、この恩恵を受けない手はありません。そこで保険適用の治療を受けるメリットとデメリットをまとめます。
保険適用のメリット
メリット1 経済的な負担ゼロ
最大のメリットは経済的な負担なく治療に専念できる点です。セラピーを自費負担する場合1セッションにつき、約75~100ユーロ(1万~1万3000円)かかります。これは継続的に支払うには結構な額でしょう。
メリット2 継続は力なり
経済的な負担がないと治療を継続しやすくなります。セッションを中期~長期間続けるというのは大変重要な点です。
最近では多くの分野において「ファスト(手早い)」が主流となっていますが、私は敢えてここで急がば廻れ!を押したい。手早く簡単に手に入るものは、なんだかんだでもたない、というのが私の個人的な経験です。皆様はどうでしょうか。
メリット3 国の品質保証
保険適用のセラピーを行うことができるのは国家資格を持つ人で、彼らは最低でも4200時間の様々な形の研修を5年から10年かけて受けてきています。
また、ドイツでは国家資格取得後も継続して研修を受け続けることが義務化されています。研修を受けると特定数のポイントが与えられ、集めたポイントを自分が所属する医師会に提出しなければなりません。これが不足していた場合の処罰はこれ。
まずは収入の10パーセント没収、さらに続いた場合には国家資格はく奪¹
つまり、国のとても厳しい品質維持のコントロール機能が働いているのです。
こう書くと、保険の効かないセラピーを提供していらっしゃる方の営業妨害をしているようになってしまい、申し訳ない気分がしてくるのですが、それは私の意図するところではありません。
何事にも両面性があり、保険適用のセラピーにもデメリットはあります。
保険適用のデメリット
デメリット1 面倒な手続き
保険適応となる場合、必要となる手続きが済むまで数週間から数か月かかることがあり、予約をとって「はいスタート」というわけにはいきません。
よって、症状が悪化する前に、数か月の手続き期間と手間がかかることを考慮して、早めに動き出すことをおススメします(具体的なステップはまた別途投稿します)。
デメリット2 保険の履歴に残る
健康保険には診断名が残ります。でも、この情報が外部に漏れることは絶対にありません。また、精神科医や心理療法士は、ある一定の診断名を下すことによって、将来患者さんの人生に思わぬ影響が及ぶかもしれないということを常に頭に入れ、軽々しい診断は行わないよう教育を受けているため、ここは信頼していいと思います(デメリットのはずが…)。
また、個人情報保護について書くと、ドイツは個人情報の扱いにむっちゃくちゃ厳しい国です。
ドイツの個人情報保護のストラテジーは何か皆さんご存じですか?
それは「紙」です。ノーデジタル。それが最大のストラテジーです。すべて紙!特に医療機関はなにもかも紙。これを鍵のかかる書類棚に保存し、部屋に鍵を締め、さらに建物に鍵を締めます(当然ですが)。
また、オンラインでのセッションを行う際も、健康保険の効くセラピストは個人情報保護の観点からスカイプなどでの施術は行ってはいけないことになています。国から指定された特定の基準を満たす医療関係者向けの有料プログラムを使用しています。ですから、会話の内容が漏れるということもありません。
話がズレました。
私は別にそこまで個人情報とか気にしないし、お金はあるから手早くセッションを受けたいという方には次の方法がおススメです。
手早くセラピーを始める方法を知りたい
国家資格を持っている人でプライベートセッションを提供している人を私はおススメします(費用はもちろん自己負担)。
この場合、品質保証はされており面倒な手続きだけがなくなります。それでも私は(まだ懲りずに)開始した後は、数回だけのファストセッションで終わらせるのではなく、中長期にセラピーを続けることを(ゴリ)押しします。
なぜなら、心の変化に「手早い」解決法はないから!
今回はフォーマルな面について書きましたが、セラピストを見つけるときは、それ以外にも重要な点があるので、それについてはまた別途書きたいと思います。
引用元
1 https://www.kvhessen.de/termine-fortbildung/fortbildungsverpflichtung/
見出し写真 by Håkon Sataøen on Unsplash
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