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ドイツでセラピーの予約をとる手順

基本的に今のところセラピストのところで予約を取るのにHausarztからのÜberweisungは必要ない。以下に具体的な手順を紹介する。

ステップ1 セラピストのリストをダウンロード

以下のインターネットサイトで自分の住んでいる州の心理療法士会(Psychotherapeuten Kammer)を見つける。

各州のサイトでPsychotherapeutensucheという機能を探す。それが見つかったら、自宅の郵便番号や都市名などを入力してセラピストを絞る。フィルター機能がある場合は、次の選択肢にチェックを入れる。

Tiefenpsychologisch fundierte Psychotherapie - Erwachsene
Verhaltenstherapie - Erwachsene
Kassenzulassung(保険適用!)

そして、表示されたリストを印刷する。これは必要ないかのように思われるかもしれないが、複数人に電話をし、バラバラと折り返し電話が来たとき、誰が誰だかわからなくなる危険性があるのでぜひおススメしたい。もしくは電話した人の名前や住所、優先順位などをケータイのコンタクトに登録しておくのも手だ。

ステップ2 通えそうな距離に診療所を持つセラピストをピックアップ

健康保険の効くセラピストの数は都市や地区によって決まっており、診療所の場所はまんべんなく散らばっている。個人的には距離よりもセラピストとのマッチングの方が大事だと思うが、通う距離も軽視できない。最大でも片道一時間くらいがいい。どうしても、例えば日本語の話せるセラピストで遠くに住んでいる場合、ビデオでセッションを受ける方法もあるが、はじめの数回はそれでも実際に足を運ばなければならない。ここは、今後もっと規制が緩和されていくことを祈りたい。

ステップ3 留守電に残すメッセージをメモし練習

留守電にどんなメッセージを残せばいいのか?

規定のようなものはないので、個人的にはありのまま思いついたことを話すのがいい。いやいや、少しは準備したいよという人のために、ざっくりとした例をひとつ。

“Guten Tag, mein Name ist (Name). Ich möchte bei Ihnen ein erstes Gespräch vereinbaren. Es geht mir letzte Zeit nicht gut. Zum Beispiel: ich muss viel weinen, kann kaum schlafen, habe Gewicht verloren. Bitte rufen Sie mich zurück, meine Handynummer ist 0176-xxxx-xxxx. Ich bin meistens Vormittags erreichbar. Vielen Dank. Auf Wiederhören.”

文法的にどうとか、間違ったら恥ずかしいとかいう想いは無視しよう。移民国家と言われるドイツだから、ネイティブは外国人が話す片言のドイツ語に慣れている。イラっとしてるかなという印象を受けたときは次のようなことを言ってみるのを勧める。

"Ich habe den Eindruck, dass Sie etwas genervt sind. Liegt es daran, dass ich langsam spreche? Bitte haben Sie Verständnis, ich muss immer richtige Worte suchen, daher kann ich leider nicht noch schneller sprechen."

このように今起こっていることを言葉にしてしまおう。なんだかお互い気が付いているけれど、どちらもそれについて言及しないなというのは変な空気を生む。それに相手はあなたと関係ないことでイライラしているのかもしれない。なので、いっそのこと言葉に出してしまうのがよい。

ステップ4 かたっぱしから電話する

1件電話して折り返しを待つというのでは、時間がかかりすぎてしまうため、どんどん電話する(!)ことを勧める。セラピストもそういうものだとわかっているので問題ない。 

ここで多くの患者さんが不満とするポイントに触れておきたい。
まず、セラピストが直接電話にでることはほぼない。これは、多くのセラピストが助手を雇わず、診察の合間、もしくは診察後に自分で電話対応をしており、自然と電話対応の時間が限られるため。ここでくじけてしまう患者さんが多いが、なんでもすんなり機能する日本とは違うんだということを思い出して踏ん張ってほしい。

最近では直接セラピストとつながる時間帯(Sprechstunde)を設けなければいけないというルールのため、電話に直接出る場合もある。この時間帯は各セラピストそれぞれで、留守電の最初に情報として流れる。その時間に電話できない場合は、留守番電話にメッセージを残して折り返しを待とう。

ステップ5 電話時に感じのいいセラピストか見る

ここでなんか嫌だなと思ったら「いやいや、もしかしたら他の人が見つからないかもしれないから」などと思って、自分の直観を押し殺して予約を取るのはおススメしない。セラピーが始まれば、短くとも1年半から2年は関わる相手だ。急がば廻れで、自分に合ったセラピストを見つけよう。

ステップ6 複数のセラピストと初回面接をする

ここで1度予約を取ったら、絶対に続けなければならないとないのでご安心を。しかし、予約を取ったら必ず行ってほしい。また直前でのキャンセルすると、診療所で患者さん同士を会わせないように気を配っているセラピスト達は、急に他の患者で埋めることが難しく、無駄な空き時間となり、結果的に他に待っている患者さんの席を奪うことになるのでご法度。

この初回の面接はSprechstundeと呼ばれる25分か50分のセッションで、25分なら最大6回まで、50分なら最大で3回まで受けることができる。誤解があるかもしれないので補足すると、この初回で実際にセラピーで行われるようなセッションがいきなり体験できるわけではない。あくまでも症状、セラピーの必要性の確認、診断などがメインだ。

ステップ7 1人のセラピストとお試しセッション

上記のSprechstundeを受け、そのセラピストのところで実際に治療をしたいと思ったら、次にProbatorikと呼ばれるセッションが2回から4回行われる。ここで最終的にセラピーを健康保険に申請するか、セラピーの回数はどうするか(短期セラピーか長期セラピーか)などが決まる。

短期セラピーの場合は計24回。その中にProbatorikも加算される。週に1回の診察でも、セラピストや患者のバケーション(そう、ここはドイツです)、病欠なども含めると最終的に1年半くらいはかかると思っておこう。

ざっくりとですが、予約から実際のお試しセッションまでの流れを紹介しました。

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