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鈴の音と導火線(詩)

僕の後ろから鈴の音が聞こえる
左手人差し指に白い糸がつながっている
糸の先についている鈴が、歩くたびに音を鳴らす
僕は糸を人差し指に絡ませて巻き取っていく
鈴の音はだんだん大きくなっていく
鈴の気配が近づいてくる
僕は歩き続け、僕は糸を巻き続ける
振り向くと、とうとう鈴が姿を現した
鈴は今や僕を捉えようとしている

僕の体は爆弾だ
鈴が僕の人差し指に触れた途端、僕は爆発するだろう
鈴が宙に浮いた
人差し指まであと1メートル
僕はカウントダウンを始める
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0
鈴が僕の人差し指に触れた感覚だけが、空気の中を漂っている

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