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不忍池を訪ねて(日記)

上野公園から坂を下りると、不忍池に出る。
今日の不忍池は平日のせいか人が少ない。
駅伝の始まりを知らせる碑の向こうに、サギが一羽浮かんでいた。
早い時間にもかかわらず、出店が数店商売を始めており、イカを焼いた香ばしい匂いを振りまいている。
両側に並ぶ出店の間を抜けると、真っ赤な不忍池辯天堂があり、その脇を通るとボート乗り場に突き当たる。
ボート乗り場を左に曲がると、春になればソメイヨシノの花のトンネルを作る小道に入る。ソメイヨシノはこの三日間の暖かな日差しを浴びて、芽を膨らませている。このままの天気が続くと、今年は二月中にも花が咲きそうな勢いだ。
柳はそれぞれの枝に淡緑色の葉を数枚つけて、まるで歯の生え始めた赤子のように初々しい。
ベンチも空いていたので、そこに座って読書をする。朝からの強い風も止まり、ひなたは繭に包まれるように快い。鳥の声が池のほうから聞こえる。まだまだ水は冷たいはずだが、池の中では数人の清掃員が枯れた蓮の茎を取り除く作業をしている。見慣れない小鳥が近くの枝に止まり鳴き始めたので、写真を撮ろうとしたら逃げられた。
冬から春へと向かい、桜が咲けばこの小道も人で溢れるのだろう。
不忍池半周の散歩。

ソメイヨシノの芽が膨らみ始めていました。

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