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長濱ねる『たゆたう』読了

小さい頃はアイドル歌手に憧れを持つ子供は多い。しかし、自分の性格を把握せずに芸能界という伏魔殿に入ってしまうと、思春期になってこれで良かったのかと疑問を持つアイドルもたくさんいるだろう。
そんなアイドルとしての辛さや苦しみを味わったに違いないのが、このエッセイの著者、長濱ねるだろう。
松井玲奈の『累々』の感想文にも書いたが、人は誰しも心の闇を持っている。それを表に出すのはとても勇気のいることだろう。
長濱ねるはそれに挑戦した。それだけでもすごいことだと思う。
しかし、長濱ねるには勇気だけでなく、文才もある。心が純粋すぎるので、何事に対しても考え込んでしまう。そして、考えた道筋をしっかりと誰にでもわかる、きれいで純粋な言葉で表現できる。
本人も書いているとおり、暗い内容も多いので、もう少し笑いをとるくらいの余裕があれば、もっと素晴らしい文章が書けるのではないか。
ぜひ小説にも挑戦してもらいたい。

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