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冬の夜道(詩)

横なぐりの雨のあいだを
木枯らしの音がすり抜けてゆく
その中を僕は傘も持たずに歩いている
街灯の明かりが定規で横線を引いたような雨を映す
雨が鼓膜を刺し、髪の毛から雨だれが落ちる
涙はとっくに枯れていたから
瞳を伝っているのは雨なのだろう
この雨が雪に変わってくれればいい
そうすればこんなにも濡れなくて済む
寒さは感じなかった
たぶん心のほうが温度が低いからだろう
夜の暗い歩道を
僕は雨に濡れながら歩いている

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