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てるてる坊主(詩)

てるてる坊主の顔が雨に歪んでいる。

てるてる坊主のおべべはビショビショに濡れている。

昨夜から降り始めた雨は朝になってもやまなかった。

少年が昨夜一生懸命にてるてる坊主を作ったのに、今日の遠足は中止になった。

願っても叶わないことが世の中にはあることを覚えながら、子どもは大人になるのだろう。

それでも恨めしそうに自分を見つめる少年の視線が痛い。

てるてる坊主のおべべには、きっとてるてる坊主自身の涙も混ざっているのだろう。

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