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短歌 エッセイ 君に恥じらふ 心はおとめ


茜さす 空が赤みを 帯びるよう

吾の短歌読む 君に恥らふ

あかねさす そらがあかみを おびるよう

あのたんかよむ きみにはじらう

茜さすとは 空に掛かる枕言葉です


私のライフワークは短歌を詠むことです
和紙の便箋に筆ペンで書き どのような心情でこの短歌を
詠んだのかを 心を込めて書きます

精神科退院後、デイケアに通っていました 先週の月曜日まで

あるメンバーさんが「短歌詠んでいるのですか?」と声を掛けて下さいました
初めてお目にかかる方なのに 何故ご存知なのか不思議でした

作品を見せて欲しいと仰るので 写真で写した作品をお見せしました
「筆で書くのですか?」
「はい 今は筆ペンですが以前は小筆で書いていました」と答えたら
驚いたようでした

次の金曜日 そのメンバーさんがいらして私の横に静かに座りました
ご自身の書棚の写真 日本の書籍も数多くありましたが洋書も多くて
私も読書は大好きなので 彼の読書量は私と同じくらいでした

翻訳本も多くヘミングウェイ、ツルゲーネフ、スタンダール、ドエトフスキー
アガサクリスティもあり 私は小学高学年から翻訳本も読んでいたのでとても
懐かしく、ライ麦畑でつかまえて、あしながおじさんなどもあり時空を超えた
時を過ごしました

また次の金曜日 私の横に静かに座り私の亡き両親、親友にと可憐な花束を
下さいました
それと銘菓(有名なのでご存知に方多いと思います)

私は御礼に短歌八首詠み 某百貨店で贖った金箔の和紙に眞心込めて
したためました
自分なりに装丁して差し上げたら喜んで下さったので私も嬉しかったです

私が筆ペンで認めた短歌をを静かに丁寧に読んでおられるので
私も静かに新たな短歌をしたためていました
あまりにも真剣にお読みになられるので十代の少女のような気持ちになり
恥ずかしかったです

短歌は恋歌が多いですが親が子を思う気持ち 子が親を思う気持ちもあります
が、圧倒的に恋歌が多いのではないでしょうか
年齢を重ねても少女のような純粋な気持ちがないと短歌は詠めませんよ

だから私の横で真剣に読んでいる彼に内心かなり恥ずかしい思いをいだきながら
座っていました
私とは一期一会の間柄でいたいと言った彼
私も同じでした

デイケア終わり駅のベンチで2〜3時間お話ししていましたね 毎金曜日
私とは逆方向なのでそれぞれ左右の改札を通り振り向くと 静かに笑みを
たたえて私を見送って下さいました

私は一礼してホームへ降りて行くと向かい側に彼の姿が。。。
連絡先交換もせず金曜日は静かに文学を語り合っていましたが
先週の水曜日をもってデイケア辞めたので一期一会になりました

近い未来 引越しするとのことでしたのでご縁があれば
どこかで逢えるでしょう
繊細で優しく努力家のあなた
混沌としたあの空間で静かに しかし熱く文学 人生を語れたのは
至福の時間でした

二ヶ月半の青春をありがとうございました
一生忘れません あなたのすべてを
ご多幸を衷心よりお祈り申し上げます


本日も最後までお読み下さりありがとうございました

フォローしてくださっている方   スキをして下さる方
とても励みになります そして嬉しいです
皆様のご健康とお幸せを心からお祈りしています

私は鬱病ですが主治医の先生に恵まれ多くの支援者にも恵まれ
ここまで回復できました
今 絶望しているあなたも きっとトンネルから抜けられる日が
きますよ 大丈夫 希望を持ってね




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