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短歌    夜の静寂に 捧げる祈り


西を向き 深く首を 垂れ乍ら

夜の静寂に 祈り捧げる

にしをむき ふかくこうべを たれながら
よるのしじまに いのりささげる

六歳で実母を亡くし 実父と継母からのネグレクトで
義務教育も満足に学べず、父親からの理不尽な暴力を受け
幼い貴方が新聞配達で得た収入さえも奪いとった父親

あなたの心の拠り所は、遺骨になった御母堂様でしょうか
会ったことのない異父姉を探すため戸籍謄本を取り寄せ
実状を現状を静かに語る貴方

「僕、天涯孤独なんです」と吐露した時の貴方の深い憂い
その時の私は同質の哀しみ 苦しみを抱えていました

私の亡き親友の入籍日に生まれた貴方
私の憂いもきっと感じてくれたのでしょう

私はすぐ短歌を認め貴方に差し上げました
貴方は興味津々で じっと見ていましたね

翌週、私の両親、親友にと綺麗な花束下さいましたね
嬉しかったです そのお気持ちが

そして私の誕生日プレゼントに英国製の陶磁器をくださいましたね
数回しか会ったことない私にどうしてそこまでしてくださるの?

私は貴方の倖せ ご健康 願いが叶うよう 夜の帳が下りてから
静かに祈りを捧げています 毎晩 静かに

フランス語を教えてくれた貴方 数度しかお会いしてないですけど
ご縁がありましたら どこかで逢うでしょう

貴方は努力の天才 今は何を勉強していますか
主治医の先生に salutと言ったら微笑んでいました

貴方には Salut(さよなら)とは言いたくない
また逢う日まで  心からmerci



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