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リーガルテックベンチャーと企業法務での働き方

リーガルテック企業のMNTSQに入社してもうすぐ9カ月。

最初の3~4カ月で東京都の緊急事態宣言の発動があったり、それに伴い子供の保育園が休園したりで、なんかもうあんまり記憶がないですけどバッタバタでした。。

3月にエントリー記事を書いたときには、想像もつかなかった未来が来て、人生はほんとに何が起こるかわからんなーと感慨深くなりますが、今日は少し前を思い出して、MNTSQに入社してからわたしが感じた法務部で働いていた時とのギャップをご紹介してみようと思います。

中間管理職がいない

ある程度大規模の上場企業などの法務部では、中間管理職がいて、その人が個々のタスクを振り分けて管理監督するのが普通ではないかと思います。なので、その下で働く平法務部員の私は、あなたはこれをやってねと言われてそれを期日までにやるという働き方でした。

入社エントリー記事でも少し触れましたが、「会社としての方針はこうだから」と法務部長から説明を受けて必要なリーガルリサーチをしたのに、社長の急な方針転換でその資料は結局使われず。。ということがあったりもしました。

MNTSQでは、中間管理職的な立場の指揮監督者はいないため、全員が事業上のマイルストーンを把握して「今やること」を決めて仕事をします。

「今やること」はメンバーが各々で課題提起したタスクから自分が担当するものについて自分で優先順位を付けて決めます。

「各々で課題提起」と書きましたが、そもそも次に何をやるべきかを自分で発見すること、作業中に気づいた問題点を共有することもMNTSQでは全社員の職責であるという点も、法務部時代の働き方と大きくギャップを感じた部分です。それがたとえ破壊的な変更を伴う場合であっても、みんな真摯に向き合います。

中間管理職がいないということは、自分のタスクについて進捗管理は自分でする必要があるので、マイルストーンに間に合わない場合は自ら間に合わないことを課題共有しマイルストーンの調整や人員の追加を求めなければいけません。

法務部で働いていた頃は、リミットは絶対で、残業してでもそこに間に合わせなければと思っていた節があり、最初は「間に合いません」と声を上げることに抵抗がありました。

しかし、MNTSQでは中間管理職がいない=誰も自分の仕事量を把握していないのだから、自分でコントロールする必要があると認識してからは、しっかり共有できるようになったと思います。実際、MNTSQではできないと言うことをマイナスに捉えられることはありませんし、しっかり課題共有をして仕事量を調整できることをむしろ評価されていると感じるので、心理的障壁も無くなりました。

部署割がない

法務部で働いていた頃の一番の悩みは、縦割りの組織構成による連携不全でした。

例えば、営業部の人と連絡を取って書類をもらう必要があるが、毎日日本中を飛び回り忙しくしているためか、全く返事が返ってこないとか、契約書管理体制を整備しようと管理システムのリサーチをし各所に問い合わせをしていたが、実はITインフラ事業部でも新しいシステムの導入が検討されていてそちらのシステムで一元管理をするから必要がなかったことが後々分かったり。

法務部内でのチームワークは良く、円滑に仕事ができても、部署をまたいだコミュニケーションが必要となると、余計な時間がかかったり、必要な情報共有がされておらずに無駄な作業が発生し、それにストレスを感じていました。

MNTSQでは、まだ規模の小さな組織ということもありますが、様々な専門性を持ったメンバー間でのコラボレーションによって、質の高いプロダクト開発を実現させるため、あえて縦割りの組織構造にはせず、常に互いが互いの領域にはみ出して協働することが要求されます。そのためには互いの専門性についてある程度理解する必要がありますが、「分かんないから誰か教えて!」と気軽に言える仕組み作りなどで担保するようにしています。

また、連携不全の一番の理由は、部署ごとに目標ややっていることが異なり、互いに何をやっているか理解していないことにあると思いますが、MNTSQでは皆が事業上の同じマイルストーンを目指しているし、毎日全社員で行う進捗報告でその日やることをマイルストーンと結びつけて共有しているので、全員で協働している一体感をわたしは感じています。

とにかくなんでも言うことが大事

前述の中間管理職の話でも触れましたが、ある程度の大きさの組織では、トップダウンで意思決定が伝達されて現場がそれに従って動くのが主流なので、現場から上層部へ意見を言うことは仕組み的にあまりないのではと思います。

法務部で働いていた頃、もっとこうした方が効率が良いのにと思ったり、それはおかしいと意見があっても、求められてないことを言うと社内で浮いてしまったり、おかしな奴だと思われやしないかと気にして黙っていることがありました。

また、上長と2人の場面で意見を口にしても「決まったことだから」「どうしようもないことだよ」といなされたりして、言っても仕方ないがないなと感じることもありました。

MNTSQでは業務改善や組織貢献をしていくことが全社員に求められており、問題提起や、それがネガティブなものであっても、誰もが誰に対してもフィードバックを送りあうことが組織の在り方として明文化されています。

法的議論についても、パラリーガル全員に議論をリードすることが要求されるので、パラリーガルが弁護士に対して意見することもあります。

今まで所属していた組織で思うことはあっても口にしないようになっていたわたしは、最初は戸惑いましたが、これが建前でなく実践されているのを肌で感じるにつれ、躊躇せずに意見するようになったと思います。

働き方を変えたい方へ

わたしはMNTSQに来て今までの職場とは仕事をする上でのスタンスや求められることが180度変わりました。

自分で考えて能動的に動くことが常に期待されるため、責任も重くなったと感じます。しかし、法的な議論においても組織づくりにおいても、わたしの意見が求められていると感じられることは、仕事に対するやりがいにつながります。

大学や大学院で法律の勉強をしたから、法務部で働いているけど、もっと自律的に仕事がしたい、学生時代のように侃侃諤諤の議論がしたい、もしそんな風に思っている方がいらっしゃるなら、そんなリーガルパーソンにリーガルテックのパラリーガルという新たな選択肢があることが、もっと広く知られて欲しいなとわたしは思います。

この記事を読んで、興味を持っていただけたら、ぜひMNTSQにお問い合わせください!


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