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【滋賀】ドゥブルベ ・ボレロ 世界のお茶を使ったボンボンショコラ「テ・ユイット」

こんにちわんこそば。チョコおたくのカデカワです。

ホワイトデーに大好きなドゥブルベ・ボレロさんから「ボンボンショコラ8個入り  テ・ユイット」をお取り寄せしましたので、感想を綴ります。

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ドゥブルベ・ボレロさんのボンボンショコラは、特に食べる前の香りから味わいたいものだと思っています。今回のコフレも、気持ち長めに室温においておくことで、ぐんと香りが開いてくれました。

では、一粒ずつ感想を。準備はいいですか? 長いですよ。
灰色の引用の部分は、箱の中に添えられていた、公式の説明文になります。


ほうじ茶ラベンダー

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宇治茶のほうじ茶と 有名な花のフレーバ 中国福建省の白茶 ラベンダーを煮出したミルクチョコガナッシュと「ペッシュ・ド・ヴィーニュ」という赤桃のコンフィチュールの2層仕立て。

口に入れる前からラベンダーとほうじ茶が、もわんもわんと薫ります。香りの立ち上り方がストレートな印象で、とても綺麗で姿勢正しい印象を受けました。

カットしてみると、赤桃のコンフィチュールの鋭い酸味と重たい香りがします。それがミルクチョコやラベンダー、ほうじ茶と相まって、全体の印象は優しくまとまり、とてもリラクシブルな香りに。

コンフィチュールは肉感があります。美味しい。ほうじ茶は渋みがしっかり感じられました。すごくすごくやわらかく包み込んでくれる味わいは、どこまでも安心感のある優しいお母さんのよう。

※「ペッシュ・ド・ヴィーニュ」について
フランス語で「ぶどう畑の桃」。小ぶりで実は綺麗な赤色をしている。熟するのが遅く、酸味が強いようです。

マルコポーロ

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有名な花のフレーバーティーを煮出したミ ルクチョコガナッシュとフランボワーズとイチジクのコンフィチュールの2層仕立て。

食べる前から紅茶の香りが炸裂しています。
マルコポーロのバニラやシナモンのようなスパイシーかつ甘ったるいほど濃厚さと、ドライマンゴーやライチの香り。あの茶葉そのものです。公式では茶葉のブランド名は出していませんが、マルコポーロですから、マリアージュ・フレールで間違いないかなと思っています(間違っていたら両ブランドに申し訳ない)。

カットすると可愛らしいフランボワーズの香り。

完璧過ぎて何も言うことがない……と言いたいところですが、せっかくの感想noteなので、文章を。

ミルクチョコレートでやさしく凪いでいた海に、イチジクのコンフィチュールの赤ワイン感。ロマンチックなサプライズをしてくるけど、度を超えてやりすぎてこない。そんな最高にイケメンなチョコレートです。

べたべたに食べ手を甘やかしてくれる優しすぎるミルクチョコが本当にツボ。なにもかも許してくれそうで、ついつい甘えてしまう。先ほどの優しく包み込む生命の母感とは異なる、甘やかしすぎて相手をだめにする青年の印象。でも性格もいい。※チョコレートの感想です

余談ですが、マリアージュ・フレールでもマルコポーロの茶葉を使ったボンボンショコラを販売していて、こちらもおすすめ。銀座の店舗に伺ったときは、ビターコーティングとミルクコーティングの2種類が選べた記憶があります。

白豪銀針(はくごうぎんしん)

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中国福建省の白茶「白豪銀針」を煮出したダークチョコレートガナッシュ。

嗅いだことない香りなのか、単に表現できる語彙と感覚がまだないのか。カメリア・シネンシス(カデカワのお気に入りの那覇のお茶専門店)でいただくような、中国茶や台湾茶系統の香りを感じました。どこかに甘さをもっていて、こころがすとんと落ち着きます。薄くて綺麗な黄金色の水色が目に浮かぶような……じっくりと嗅いでいると、更に香りが開いてきました。感動。うまく言語化できないのですが、以前にお茶で嗅いだことのあるような良い香りです。少しでもお茶の風味を感じ取れたのが嬉しい。

カットすると、ダークチョコレートの香りと相まって不思議な印象に。干しぶどうで作った甘い白ワインかな、ギュッと濃厚なブドウの甘い香りです。それ以外にも、南国のフルーツを思わせる香り、たとえばドライにしたマンゴスチン(ライチに似た、見た目がとげとげの果物ですね)。ダークチョコの風味の中にフルーツが見え隠れします。この香りはお茶なのか、チョコなのか? チョコの風味をお茶が強調しているのか? 分からないままに、その感覚を楽しみました。

チョコレートは、知らない国の美人さんのよう。美の基準や言語は異なるものの、目の前の人に心がはっと奪われていくような感覚です。わからないけど、すごく素敵。ミルクよりもほんの少し固めに感じるガナッシュがいい……! 溶けてくると一瞬パッと酸味が出ます。渋みは果実味が交わったような、綺麗な綺麗な渋みです。

余韻が長く楽しめます。


フィー・ノワール

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カカオとヘーゼルナッツとトリュフのフレーバーティーを煮出したダークチョコガナッシュとブラックベリーとカシスのコンフィチュールの2層仕立て。

真っ先にトリュフの香り。それから甘さやカカオの香ばしさが出てきます。この香りはカカオらしいというより、香料としてのカカオの香りに近いかな。ワイン勉強用の香料の感じです。ヘーゼルナッツも居るのがわかります。他に比べて香りが取りやすいと感じました、カカオやナッツはいつも触れてる食材だからかな。

カットすると、ブラックベリーとカシスのコンフィチュールの重たい甘さが鼻腔をくすぐってきます。コンフィチュールのもちもちとした食感にベリーらしいきゅっとした酸味がなんとも言えません。味は桃にも感じられます。ダークチョコガナッシュでこんな味わいは初めてかも! とにかく果肉使いが上手いドゥブルベ・ボレロさんです。

食べているとお茶らしい香りも出てきました。酸味が大きくて幅広い(最初から最後までいる)ので、ダークなのにすごくスッキリたべられるのが特徴でした。パクパク食べたくなります。ラストは梅干しみたいなきゅっとした酸味。

ここまでいただいたところで、一粒一粒に圧倒され、体力が切れぎみになりました。すごいパワー。


ジャスマン・ドランジュ

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上質な鳥龍茶にフレーバリングしたジャスミン茶を煮出し、南仏産の春の百花蜜を少し混ぜたダークチョ コガナッシュとマンダリンオレンジのパートの2層仕立て。

じゃ、ジャスミンだーーっ。しかも上質なジャスミン茶の香りです!

カットすると烏龍茶の落ち着いた香りとマンダリンオレンジの爽やかな香りが抜けました。ほんとうにこのコフレ、まず香りだけで素晴らしい。甘くてミルクのような香りもします。

ジャスミンとビターチョコが最初にぐっと入ってきたかと思えばオレンジが出てきます。写真で見ていただきたいのですが、オレンジのパートはこんなに薄いのに、はっきり風味が出ているんですよ。味だけでいえば、ガナッシュとほとんど1:1の感覚です。

ビター×オレンジは定番の組み合わせながら、烏龍茶にフレーバリングしたジャスミンや百花蜜を混ぜた理由をもっと探りたくなるような味わいがいのある風味です。絡み合っていく音色、あるいは色彩が要素の多さから成り立つ感覚。一口目の二口目で印象が全く変わりました。ビターチョコレートとオレンジだけなら一口目に感じたようなシンプルな美味しさのはずですが、ティーや蜜が入ることで、様々な感じ方ができる懐の深さがあります。すごく楽しいチョコレートです。

イビスクス・ミルティーユ

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有名なハイビスカス系のフレーバーティーを煮出したホワイトチョコガナッシュと、セミドライ化したブルーベリーのパートの2層仕立て。少しスミレの香りを加味。

マルコポーロに負けず劣らずはっきりと薫るフレーバーティー。ここにきて初めてのホワイトチョコガナッシュに心が踊ります。コーティングはミルクチョコレート。

カットするとハイビスカスの香りがはっきり出てきました。すみれも感じられた気がしますが、すみれの香りって記憶にないので曖昧です。少し甘さのある、香水のように華やかな香気でしょうか。ブルーベリーも薫ってきて、楽しい雰囲気に。小さくてやんちゃな子供のようです。

果実のしっかり残ったブルーベリーの風味をはじめに感じます。そこをホワイトチョコが繋いでいくのですが、ブルーベリーのパートがメインの味わいに感じられるあたり他のボンボンショコラとは違ったバランスと言えます。ホワイトチョコの場合、チョコが主役ではなく合わせる素材を活かした味わいに仕上がるのかもしれません。渋みがあまりないので、ストレートティーに合わせたいなと感じました。

四季春ココ

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台湾のフルーティーな半発酵茶「四季春」を煮出したミルクチョコガナッシュと、ココナッツ風味のホワイトチョコガナッシュの2層仕立て。

めも:四季春は自然交配種の茶葉

楽しみにしていたボンボンショコラ。

さすがはココナッツ! ココナッツ自体の香りがかなり立ってきます。香りの中にフルーティさも感じられますが、ココナッツが優勢。生のタイ産マンゴー、オレンジの果肉、草のような香りも。ところで、ココナッツの香りってくらくらしませんか(他の香りがわかならくなってきました)。

驚いたのが、食べた瞬間に一気にお茶が出てきたこと。これはこれまでとは違うパターンです。美味しい〜! 烏龍茶的な渋みがありつつ、かなり優しいつくりになっています。フルーティーさとチョコのビター感がココナッツに合ってる! これは香りからは想像できなかった味わいで、嬉しいサプライズ!

食べるまえはココナッツ強くないかしら? と思ったものの、口入れると驚くほどに自然に調和しているのでびっくりしました。美味しい〜〜!美味しすぎて語彙力なくしそう。


金駿眉フィグ(きんしゅんび)

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中国福建省の全発酵茶の「金駿眉」は 新芽のみで上質な香りの高級な紅茶。 それを煮出したミルクチョコガナッシュと、白イチジクをデザートワインで煮詰めたパートの2層仕立て

高貴な香り……全体的に上方にほわほわと上がってくるタイプのやわらかでエレガントな香りです。しつこいくらいに嗅ぎ続けていると、ミルクチョコの香りもしてきました。カットするとフィグが広がり、これが茶葉の香り(と思われるもの)とミルクチョコに本当にきれいに一体化します。

白イチジクがいい役をしていて、シェリー酒をはさんでいるような感覚(イチジクの色と味は食べ比べたことがありませんが、白イチジクはやや軽い風味なのかと想像)。中国茶らしい香りがすごくわかるのが嬉しいです。そこにあるのを感じられる。きれいで、透明感があって、すこしだけお茶の渋みも感じられて……フルーツがふんわり出てくるような。マリアージュが完璧で、いいカップルの結婚式見ているみたいな気持ちになりました。うれしい気持ち。

終わり

ごちそうさまでした。食べ始めから食べ終わりまで、撮影もしつつ3時間ほどかかりました。「テ・ユイット」の美味しさ、豊かさ、ひとつひとつのお茶の世界を存分に味わえたのがとても喜ばしいです。

ちなみに、食するのに時間がかかるときは、途中でボンボンショコラを箱ごと冷蔵庫に戻したりします。いただく前にも常温にしばらく戻しますが、ガナッシュが緩くなりすぎるとまたベストな舌触りと香りではなくなってしまうためです。とはいえ、難しいことは考え過ぎず、自分の美味しいと思えるタイミングと食べ方でいただくのが一番だと思っています。強いて言うなら、ベストな状態で、というのは作り手のこだわりへのリスペクトですね。

本当にすばらしいコフレでした。ドゥブルベ・ボレロ の皆さん、素材を作ってくれた生産者の皆さんに感謝です。

余談

文章中に何度か「お茶の風味が感じられるのが嬉しい!」的なことを呟いていますが、これはわたしが初めてドゥブルベ・ボレロ さんのお茶を使ったボンボンショコラをいただいたときに、お茶の風味を最大限に感じることができなかった(もちろんそれでも美味しいのだけれど)という体験からです。そのお話はこちらのnoteに綴っています。


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