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トンニャン最終章#24 ミカエルとルシファー

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
話の位置は「ガブリエルの巻」の次、「ミカエルルシファーの巻」のような意。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

「やっぱり。あの二人、自分の引き離された半分の魂と同じものを、自分で作ったんだ」
「ラファエル様、それでは、わたしはウェヌス様の子ではないと?」
クビドもミカエルだけの息子。で、あればこそ、クビドとリオールは、対の天使だった。
 
 
 ***********
 
「長いな。そろそろ誰か、二人の様子を見に行ったらどうだ」
トンニャンは、クビドとリオールを交互に見た。
「おまえたち二人に貸していた隣の球体に、今。ルシファーとミカエルがいる」
 
 
「俺たちが行ってもいいけど、まずいんじゃないかな。二人きりのところ。・・・わかるよな、クビド、リオール」
クビドもリオールも、ぎくりとした。
 
ラファエル様の言うとおりかもしれない。クビドは左右に首を振り、顔を上げた。
「行くぞ、リオール」
「え?もう少し待った方が,良くないか?」
「待ってられない。」
クビドがリオールの手をひくと、二人も球体の壁に消えた。
 
*******
 
「あの・・・」
「コーラ?さっきから聞きたいことがあるんでしょ?」
「はい」
「ラファエル。羽をちぎった詫びでも入れたら?」
「ガブリエル、おまえな・・・」
 

 
「コーラ。わたし達がいくら堕天使になったとしても、言っていいことと、悪いことがある。そうよね、チェリー」
「チェリー?」
「時が来たら、チェリーに聞きなさい。あなたの父親のことは、わたし達の口からは決して言えないことなの」
「は・・・い」
コーラは、胸の中のもやもやしたものに蓋をして、ガブリエルにうなずいた。
 
 *****
 
「さっきから、堕天した、とばかり言っているが、誰が堕天使になったんだ?」
隣のアシュラも、思わずトンニャンの方を向く。
「四大天使も、クビドもチェリーも堕天使にはなっていない」
 
 
「どういう意味だ?あれだけ派手に動いて、これが天上界で眼に入らないはずがない」
「ウリエル、四大天使でありながら、同じ地位の神のごとき者の力を知らないのか?」

つづく
ありがとうございましたm(__)m

トンニャン最終章#24 ミカエルとルシファー

※パワーズ(能天使)指揮官ラファエルが、赤ん坊(後のコーラ)の四枚の翼を引きちぎるシーンはこちらから「悪魔皇太子妃コーラ」
https://note.com/mizukiasuka/n/n0b67b42d34fa?magazine_key=mf04f309d9dfc

【「炎の巫女/阿修羅王」全国配本書店名110店舗はこちら
https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】

次回トンニャン最終章#25 ミカエルとルシファーへ続く
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前回トンニャン最終章#23 ミカエルとルシファーはこちらから
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