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トンニャン最終章#25 ミカエルとルシファー

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
話の位置は「ガブリエルの巻」の次、「ミカエルルシファーの巻」のような意。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

「ミカエル・・・いや、ルシファーが?何故?どうやって?」
 
「私は歴史に介入できないからな。しかし、天上界では四大天使がいなくなって機能するだろうか」
「いや、七大天使だっている。ほかにもセラフィムは・・・」
 
 
「ルシファーが記憶を書き替えた。四大天使とクビド・チェリーは堕天使になっていない」
「天帝に見破られないわけがないわ」
 
 
「天帝にはな。しかし、おまえ達が堕天使となったら、天上界の混乱は必至。おまえ達が帰らなくて、誰があの世界を保てる。
おまえ達ひとりで、ルシファーひとりに対抗できる力がある。そんな天使は、ほかにはいない。それは、自分達が一番わかっていることではないのか?」
トンニャンは、天使達に向かって微笑んだ。
 
「そのまま帰ればいい。何事もなかったように、この洪水の後始末。人間達のその後を見ている、たくさんの天使達がいるだけだ。」
 
「ルシファーは、何故こんなことを?ミカエルには、わかっていたの?」
「いや、ミカエルもそこまでは考えていなかっただろう。しかし、この世に光と闇がある限り、善と悪は存在する。それらの、どちらかの均衡が破れても、この世は治まらない」
 
「命あるもの、全てに生きる権利がある。光と闇は表裏一体。どちらが欠けても、困ると言うのか?」
「そうだ、ウリエル。しかし、本来の悪魔は、本質的な悪は、ルシファーの統治が続く限り、大きく暴走することはない。少しだけ、光が善が強ければいい」
 
「それは・・」
「それって・・・」
「ルシファーは・・・」
 
「皆まで言うな。コーラの父親の名前以上に、四大天使が口にして良いことではない」
 
座り込んでいたラファエルが立ち上がった。
「話しているかな、ミカエルとルシファーは」
「ルシファーは、ミカエルには本当のことを話しているのかしら?」
 
「さぁな。ルシファーは最も読めない奴だ。同じ魂が分かれたのに、素直さは、ミカエルだけが持っていったのかもしれない」
 
「違いない。昔から、わけの分かんない奴だった」
「そうね。クビドと、そっくりよ。何を考えているんだか」
ガブリエルは球体の高い天井を見つめるように、顔を上げた。零れるものを隠すように。
ウリエルが、ガブリエルを支えるように肩を引き寄せた。
 
二〇一二年平成二四年七月十日(火)二十時四十分

トンニャン最終章#25 ミカエルとルシファー

※これ、会話しか残っていなくて、ラファエル・ウリエル・ガブリエルの三人の天使と、トンニャンとの会話です。女性の言葉はガブリエルに違いないが、ウリエルとラファエルは、どっちだ??と、作者がわからなくなるくらい、わかりずらい。思いが強くて指が追いつかない時に、こんなことが起きます。まずいですね・・・。

※この物語はフィクションであり、登場する人物、設定、全て架空のものです。
また、特定の宗教とは全く関係のない、完全フィクションです。

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