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トンニャン最終章#23 ミカエルとルシファー

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
話の位置は「ガブリエルの巻」の次、「ミカエルルシファーの巻」のような意。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

「ルシファー、こうして会える時が来るとは思わなかった。しかし、会えたなら最初にミカエルと話すべきだ。あの遠き戦いのこと。何故、突然裏切ったのか。双子のミカエルに相談も無く、突然に。あの時の痛みを、ミカエルが忘れていないとでも、思っているのか。」
「ウリエルまで」

「俺もだ、ルシファー。俺たちはいい。だが、ミカエルには、きちんと説明しろ」
「ラファエル、言うことだけは、まともになった。パワーズを率いてきただけのことはある」
「な・・・」
ラファエルは立ち上がろうとしたのを、ウリエルとガブリエルに抑えつけられた。
 
****
 
「おそろいだな、ルシファー。隣にもう一つある球体を使え。ここも、隣の球体も、天帝すら覗けない。わたしが作ったんだから」
「トンニャン、全て見通していたのだな。」
「あたりまえだ、ルシファー。自分だけが見えると思うなよ。それに隣は、おまえ達の息子達に貸していたものだ」
ルシファーはフッっと笑うと、ミカエルに視線を移し、球体の壁に姿を消した。
 
「ミカエル、行ってこい。言いたいこと、聞きたいこと、全部、話してこい」
ラファエル後押しされるように、ミカエルもルシファーの消えた壁に吸い込まれていった。
 
 **********
 
「あれ?父上が来たんじゃないのか?」
リオールが天使の姿のまま現れた。続いてクビド。リオールの妻コーラ。クビドの妻チェリー。
 
 
「あなた達・・・」
「全く、ミカエルもルシファーも何を考えて、おまえたちを作ったんだ?そっくりじゃないか、あの戦いの時と」
ガブリエルもラファエルも、思わず口に付く。
 
「あの戦いとは、いつのことですか?ラファエル様」
ラファエルはトンニャンをちらりと見た。
「かまわないのね、トンニャン」
ガブリエルが確かめるように念を押しても、トンニャンは黙っている。
 

「光と闇。善と悪の戦い。一つの魂が二つに分かれて生まれた双子、ミカエルとルシファーが戦った時」
ウリエルは語り始めた。双子の成り立ちから、ルシファーが堕ちた時まで。
 
「その後、ミカエルがウェヌスと子をもうけた時は驚いた。しかし、顔を見て、すぐに分かった。クビドがミカエルひとりの子であると」
 
「チェリー。リオールはミカエルに似ている?」
「はい、ガブリエル様。姿形だけでなく、性格がよく似ているかと。」
 
「コーラ、クビドはルシファーに似ていない?」
「とてもよく似ていると思います、性格が。リオールはミカエルに。クビドがルシファー様に」

続く
ありがとうございましたm(__)m

トンニャン最終章#23 ミカエルとルシファー

※対の天使ミカエルとルシファー。
同じく対の天使クビドとリオール。クビドとリオール、初対面のシーンはこちらから「愛の天使クビド(リオールと対の天使)」
https://note.com/mizukiasuka/n/n4305e90415c2?magazine_key=mf04f309d9dfc

【「炎の巫女/阿修羅王」全国配本書店名110店舗はこちら
https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】

次回トンニャン最終章#24 ミカエルとルシファーへ続く
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