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トンニャン最終章#21 ミカエルとルシファー

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
話の位置は「ガブリエルの巻」の次、「ミカエルルシファーの巻」のような意。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

「よく来てくれたな。助かった」
アシュラが話しているのは、インドの神々だ。
「ハヌマーン、おまえのおかげで、ほとんどのインドの神々が動いた。大きな力になったぞ」
トンニャンにも言われ、ハヌマーンは、赤ら顔がますます赤く染まった。
「久しぶりに孫悟空の姿で、キント雲で人助けするのも悪くなかったぜ」
 
 
【ミカエルとルシファー
昔、光と闇・善と悪が別れた時、天帝のもとに最初の天使が生まれた。四つの魂は、四大天使となるはずだった。しかし、最も神に近き一つの魂が、二つに分かれ、双子の天使を生みだした。この神に最も近き双子の天使が、対の天使・ミカエルとルシファーである。
兄のルシファー、弟のミカエル。神のごとき美しき双子の天使は、光と闇・善と悪の戦いで、悪魔と戦った。その時、突然、兄のルシファーが裏切り、悪魔側についた。同じ顔、同じ力を持つ双子は、雌雄を決して戦った。そして、ミカエルの剣がルシファーの翼を貫き、ルシファーは堕ちていった。
堕天したルシファーは、大魔王ルシファーと名乗り、魔界を治めた。
軍神マルスとなったミカエルは、戦いの神とあがめられた。そして、ウェヌスとの間に、クビドが生まれる。
同じ頃、ルシファーには、妻リリスとの間に、ルシファーひとりの子、リオールが生まれていた。
 
 
 
「それにしても、天上界からまで、堕ちてくるとは思わなかった。あいつらにしてみたら、こちとら異教の神」
「でも、思いは同じってことだよ。信じてくれる者たちを裏切ることは出来ない。僕は、僕を信じてくれる者たちを助けただけだよ」
ガネーシャの物言いは、かつてアシュラが訪ねた時と変わっていない。
 
「インドラやヴィシュヌは?」
「あぁ、とっくに帰った。シヴァなんて、特におまえと顔を合わせたくなかったんじゃないか?アシュラ」
 
インドラは帰ったのか。・・・インドラ、いつまでも姫と幸せに・・・。
 
「アヌビスやホルスとは、声を掛け合う、ひまもなかったな」
「トンニャン、何人知り合いがいるんだ?さっき、オーディンやアマテラスも見かけたが、俺は会うのは初めてだった。だが、トンニャン、おまえはそうではなかろう」
「あぁ、皆、古い知り合いだ。ハヌマーン、おまえも、ガネーシャもな」
 
ガネーシャは、ちょっとハヌマーンに目配せしている。
「そう・・・だな。俺たちも帰るか、ガネーシャ」
「うん。もう、出来ることは全てした。助かった人々は、まだ茫然自失の中にいるが、僕は人間の力を信じるよ」
「そうだな。神々などと言われるが、ちょっと力を貸すくらいしか出来ない。この洪水でも、全員助けられたわけじゃないしな」
孫悟空の姿のまま、ハヌマーンは悔しそうに唇をかんだ。

続く
ありがとうございましたm(__)m

トンニャン最終章#21 ミカエルとルシファー

※アマテラスは日本神話の神、オーディンは北欧神話の神。
インドの神々が活躍し、アシュラのルーツに迫り、ビシュヌ・シヴァ・インドラも活躍する「阿修羅王」編は、書籍にて

【「炎の巫女/阿修羅王」全国配本書店名110店舗はこちら

https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】

次回トンニャン最終章#22 ミカエルとルシファーへ続く

前回トンニャン最終章#20 ガブリエルはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/ned7e346f212e

トンニャン最終章、最初から読めるマガジンはこちらから
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