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トンニャン過去編#65 フェニックス(原題「フェニックス」)

※この物語は「阿修羅王」編・「アスタロト公爵」編の本編であり、さらに昔1970年代に描いたものを、2006年頃に記録のためにPCに打ち込んでデータ化したものです。
話の位置は「ミセス・ボニーの巻」の次。「フェニックスの巻」のような意です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです

アンはトンニャンの腕の中から立ち上がった。
「トンニャン、私はずっとあなたの友達でいたいのよ」
トンニャンがため息をつく。
「アンにはたくさん友達がいるわ。トーニ・バロン。エレン・ピース。トム・クワイエット。
それに・・・何より、ネッド・グラウンド。アンの一番大切な人のはずよ」
アンは歩き回りながら、何度も首を振る。
 
「アン、よく考えて。私はトンニャンよ。
ネッドは、誰よりもあなたを愛し、あなたを支えてくれるわ。それは私が言わなくても、アンがすでにわかっている事でしょ」
 
「来年、年が明けたら来るわ。来年の今頃、ミセス・ボニー・ガンは、男の子を出産する。その前に来るわ。もう一度」
 
 
アンは、にわかに自分のまわりが熱くなっているのに気づいた。ふと見ると、すでにトンニャンの姿はなく、真っ赤な炎が目の前に広がっていた。
 
 
「トンニャン・・・」
 
アンが小さくその名を口にする。
 
すると炎の中からかすかに声が聞こえた。
 
「空・・・」
 
「あっ!」
 
その時アンははっきりと見た。
 
伝説のフェニックスが空を飛んでゆくのを・・・。
 
 
「トンニャン、やっぱりあなたは・・・。」
 
その光り輝く炎に包まれた鳥は、天を目指して昇ってゆく。
 
「トンニャン!」
 
気がつくとアンはひとり公園に立っていた。
 
「トンニャン・・・もう一度会えるのね。もう一度・・・」
 
アンは、その言葉を何度も何度も繰り返した。
 
 
 
チェリー・・・コーラ・・・トンニャン・・・。
彼女達がまたこの人間界で顔を合わせるのも、そう遠い事ではないだろう。
 
二〇〇七年平成十九年八月十九日(日)朝六時(原文一九七七年四月)

トンニャン過去編#65 フェニックス(原題「フェニックス」)

※チェリー・コーラ・トンニャンの、人間界での日本でいう高校二年生が終わりました。次はいよいよ最終学年です。日本でいう中学時代にコーラと出逢ったトム・クワイエット。同じく日本でいう中学時代にトンニャンと出逢ったアン・バスカント。そしてチェリーは・・・。
あと少し、彼女たちの高校生活にお付き合いくださいませm(__)m

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