トンニャン過去編#1プロローグ(はじまり)
※この物語は「阿修羅王」編・「アスタロト公爵」編の本編であり、さらに昔1970年代に描いたものを、2006年頃に記録のためにPCに打ち込んでデータ化したものです。また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。
いつの頃だろう。それはまだ、この大宇宙が生まれたばかりの頃かもしれない。
いや・・・それより以前、気の遠くなるほどの昔に、トンニャンは
いた!!
“わたしはトンニャン”
気がつくと彼(彼女)はそうつぶやいていた。いったいここがどこで、何故ここにいて、自分が何者であって、何故存在するのか、彼(彼女)には全くわからなかった。しかしそれは、しごく自然な事であり、考える必要のない事だと、彼(彼女)は知っていた。
彼(彼女)は、ゆっくりと眼を開いた。
“闇”
そこに広がる世界が、闇であると彼(彼女)は認識した。次に立ち上がった。
“光”
ひとすじの光が差し込んできた。
“善と悪”
彼(彼女)が歩き始めると闇と光が絡まりあって、やがて真っ二つに別れた。彼(彼女)は走り出した。闇と光の間を突っ走った。
“風”
風が起こった。
“火”
闇と光が風にあおられ、火が生まれた。
彼(彼女)は最後まで走りきると、気を失って倒れてしまった。
“宇宙”
そうつぶやいて、再び彼(彼女)は眼を覚ました。闇と光が風によってガス体を作り上げやがて火の塊ができ、数々の天体を作り上げていた。
そしてそれらと平行して、光・・・善の世界、闇・・・悪の世界が、相対して形成されていた。
“戦い”
それは生存権をめぐる戦いだった。善と悪どちらが栄えるかという・・・。
戦いは、善が有利だった。ところが、戦いも終局を迎えようとした時、突然、善の世界の一人が裏切った。それは善・・・神に次ぐ天使、暁の子ルシファー。神の軍を率いる将でありながら、悪・・・悪魔に寝返り、その剣を神に向けたのだ。
しかしルシファーの剣をさえぎったのは、副将であった彼の双子の弟、対の天使・曙の子ミカエル。同じ顔、同じ姿をした二人の天使の剣に、善と悪の未来が託された。
彼(彼女)は知った。光の世界の者も、闇の世界の者も、皆生きているという事を。自分の意志で、生きているという事を。
戦いは、ミカエルがルシファーの翼を剣で貫き、ルシファーは地に堕ちていった。
その時、神の軍と悪魔の軍の戦場に、炎に包まれた翼を持つ生物、鳥が現れ、鳥は戦場の中央に降り立つと炎そのものとなり、やがて炎はひとりの美しい少女の姿になった。
「わたしはトンニャン。争いを止めよ。これより神は天、悪魔は地を治めよ。」
神も悪魔もこの申し出を受け入れ、以後善と悪はその後生まれる人間という生物の、心の中で常に争われる事となった。
続く
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トンニャン過去編#1プロローグ(はじまり)
#2へ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/nbc11057d6f35
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