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「リオデジャネイロ治安が良い街」

「治安最悪?不安だな…対策は?」
ブラジル・リオへ観光や留学、出張、駐在、永住の方へ。

ボタフォゴは安全な街(ブラジル基準)
日系企業のオフィスや日本総領事館も近くにあります。本田圭佑選手がプレーしたサッカークラブも関係しています。

ボタフォゴのビーチ
Image:Sergio de Andrés on unsplash

しかし
これはリオ市南部のボタフォゴ地区の
ゲストハウスの防犯カメラが捉えた映像です。

※少しショッキングな映像なので、苦手な方はとばしてください。



ご覧いただけたでしょうか?
そうです、強盗の様子です。
犯人はビーチで寝泊まりする3人組の少年
被害は数百レアルとiPhone7にクレジットカード。発生日時はリオのカーニバルの翌々週の夜8-9時ごろです。

なんでそんなこと知ってるかって?

それは...
映像に映っているのは私だからです笑

今回は強盗被害の実体験をお話します。

ブラジルで犯罪に巻き込まれないために、
もし巻き込まれてしまったらどうするか、
みなさんのお役に立てれば嬉しいです。

◇◆◇

映画『シティ・オブ・ゴッド』2002
リオのファヴェーラを舞台に葛藤する少年の物語

リオに初めて来ました(2018年のことです)。
「ブラジルは治安が悪い」と聞いていたので、
最初は緊張感をもって過ごしていたのですが
2週間も過ぎれば人間慣れてしまうものです。

Pão de Açúcar(シュガールーフ)にて

「リオってそんなに治安悪くないかも」

夜でも平気でフラフラ出歩いていました。
背後の気を緩めて、時には酔っ払って...

Escadaria Selarón(セラロンの階段)
昼間は人でごった返すが夜はひと気がない
治安のヤベー地区でもフラフラ

「危険は大抵慣れたころにやってくる」

…コレ本当ですね笑

「一月の川」と直訳され、その美しい景観が世界遺産に登録されたリオデジャネイロですが「日本のように安全な街」は無さそうです。

コルコバードのキリスト像など観光地は
小銃を構えた軍警察が警らしているので
治安は維持されています。

◇◆◇

宿近くのバーで飲んだ帰り道。宿は人通りのある道から一本入った路地裏にありました。気持ちよく酔っていました。宿の前に着き、チャイムを鳴らします。
”Dinheiro, Dinheiro(カネ、カネ)”という声が聞こえます。少年たちに囲まれていました。1人が私の背中に硬いものを突きつけています。
刃物!?拳銃!?
「コレ抵抗したらヤラレるな」
頭の血が引いていくのを感じます。
その直後、ポケットに突っ込まれる手!
穴が開くかと思いました。
身体もまさぐられます。それも乱暴に。
ズボン内側のウェストポーチが見つかってしまいます。中にはiPhoneとクレジットカードが。
「コレは盗られたくなかった…」
とっさの抵抗。
顔面を何度も殴りつけられます。
殴りつけてくる少年と目が合いました。
悲しそうな、でも必死な目をしていました。

「コノ目、見覚えがある…」
その瞬間ふっと身体の力が抜けました。

※強盗の顔を直視するのは厳禁です。
警察に捕まらないように
口封じで殺されるかもしれません。

◇◆◇

宿から人が出てきます。
何があったんだ!とざわめく人たち。

Assalto(強盗)

「まさか自分が盗られるなんて…」
とても落ち込みました。

事情を知った宿のスタッフやゲスト
みんなが声をかけてくれました。
ショック状態にならなかったのは
この人たちのおかげだと思います。
人の温かさに救われました…
「まさかボタフォゴで強盗なんてね…」とも。

◇◆◇

早朝、最寄りの市民警察へ被害届けを出します。保険金請求に現地警察のレポートが必要でした。この時私のポルトガル語はスペイン語がベース。カタコトですが、対応してくれた警察官は丁寧に話を聞いてくれ、1時間ほどかけて書類を作成してくれました。隣のブースにいた地元住民と思しき年配のブラジル人女性2人も助けてくれました(おそらく何らかの被害にあっていたはず…)。
人の親切に感動しました…

◇◆◇

宿に帰りました。予定を早めて発つことに。
20代のヨーロッパ系ブラジル人の宿オーナーは「被害に遭って大変だろうから」と返金さえしてくれました。人の善意に癒されました…

■ブラジルで強盗に極力遭わないためには...
・夜は不要不急を除き出歩かない
・出歩くときは前後左右を気にする
・酒を飲みすぎない(むしろ飲まない)
・車両で移動する(UberよりもプロのTaxi)
・現地ガイドと行動する

■もし強盗に遭ってしまったら...
・抵抗しない(反撃されます)
・クレジットカードの盗難届
・保険金を請求するなら市民警察で被害届を出す
・レブロンとコパカバーナに観光警察有り
・日本総領事館はフラメンゴに

最後はクヨクヨ考えない
これに尽きると思います。
事件当日ものすごく反省したので、
次の日からは
どうやって楽しもうかずっと考えていました。

▼防犯対策、詳しくはこちら

◇◆◇

無事次の宿を予約しチェックアウト。
次の宿はイパネマにあります。
ちょっとした移動はUberが便利ですが
iPhoneがないので呼べません。
同じ宿だったフランス人とアメリカ人の男子が「俺らもイパネマにいくから一緒に行こうぜ」と言ってくれました。
人の優しさに感動していたのですが
「お前ひとりだとまた強盗に遭うだろ笑」とも。後の方は「大きなお世話だよ」て話なんですが、これがあながち嘘じゃなかったんですよね。

3人でイパネマへ向かいました。

宿に着いてチェックイン。
2人はロビーでだべっています。
せっかくだからビーチに行って、
ビールを飲んだり、
昼寝したり(前夜はほとんど眠れず)
と日が暮れるまで過ごしました。

「じゃあ気をつけろよ。もうひとりで帰れるか?」と茶化す2人と別れます。
名残惜しかったです。

◇◆◇

宿に帰って。
ロビーからスペイン語が聴こえてきました。
正直ポルトガル語に疲れていたので
心地良く聞いていると
アルゼンチンの若者グループでした。
どうやら夜景の見れるバーに行くようです。
気分転換に良いだろうなと思ったので
一緒に行きます。

しかしこのバー、スラム街(ファヴェーラ)にありました。リオのファヴェーラは大抵、丘の上など険しい場所にあります。郊外に行くと平地にもあります。

ファヴェーラってどんなところ?
ギャングの支配する危険な場所?

(つづく)

▼第2話[つづきを読む]

comunidade do Vidigal

表紙:Leandro Pereira on unsplash / ボタフォゴの緑豊かな街並み

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