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適正なリスクの取り方 「タルムード」

こんにちは,HARuです。今日は「適正なリスクを自分で考えて選択できるようになろう」というお話し。

今回は以下の話をもとに,私が子どもたちにした道徳の授業のお話しです。

この考え方を,もし自分が中学生のうちに知っていられたらいいなと思ったので,子どもたちにも紹介しました。
どんな話で授業を展開したのかお話ししていきます。

では,いってみましょう!

タルムードってなに?

このお話は「タルムード」という書物に記載されているものです。
みなさんは,「タルムード」をご存知ですか?
私は動画を見るまで全く知りませんでした💦

タルムードとは

タルムード(ヘブライ語: תלמוד‎ Talmud、「研究」の意)は、モーセが伝えたもう一つの律法とされる「口伝律法」を収めた文書群である。6部構成、63編から成り、ラビの教えを中心とした現代のユダヤ教の主要教派の多くが聖典として認めており、ユダヤ教徒の生活・信仰の基となっている。ただし、聖典として認められるのはあくまでヘブライ語で記述されたもののみであり、他の言語に翻訳されたものについては意味を正確に伝えていない可能性があるとして聖典とはみなされない。
                         wikipedia:タルムードより

簡単に言えば,

ユダヤ教の聖典

ですね。ユダヤ人たちが大切にしている教えが載っている聖書のことです。
なぜ,ユダヤ教の聖典が注目されているのかと,ユダヤ人の賢さの秘訣とされているからです。
世界人口の約0.25%にしか過ぎないユダヤ人の方々ですが,ノーベル賞受賞者の20%以上はユダヤ人(ユダヤ系)と言われているくらい優秀なのです。
もちろん,世界長者番付の上位にも常にランクインし続けているとのこと。

そんなユダヤの人たちが小さな頃から読み聞かせを受けている書物の一つが
この「タルムード」なのです。

「難破船の3人の乗客」ってどんな話?

今回はその「タルムード」の中から,「難破船の3人の乗客」という話をお伝えします。
簡単にあらすじをお話しすると

ある日嵐で難破した船が無人島に辿り着きます。
船はそこで修理をしてから出航することになるのですが,その島はフルーツがたくさん実った島でした。
3人の乗客(A ,B,C)はそれぞれ違った行動を取ります。
Aは修理が終わっていつ出航するか分からない不安から船に残り続けます。
Bは船が見える範囲で少しだけフルーツを食べました。
Cは修理にしばらく時間がかかると踏んで,島の奥までお腹いっぱいフルーツを食べにいきました。しかし,戻ってきたら船は既に出港した後でした。
その後Aは餓死してしまい,Cは島に取り残されて一生を終えました。

というお話しです。
さて,あなたならA ,B,Cの乗客,誰と同じ行動を取りますか?
本来は物語の結末を知る前に選択してもらいます。ちなみに私は,Cでした💦
勝手な判断をして失敗するタイプですね苦笑
この話は「リスクの取り方」について教えてくれる話です。

船から離れるリスクとフルーツを得られるリターン
そのバランスを考えて行動することが大切だよねということ。
子どもたちに聞いてみたところ,やはりAを選ぶ子が多くいましたね。
日本の教育の弊害でもありますが,リスクを避けることをすごく重視する傾向があります。

リスクを避ける日本人

でも,それはそうですよね。
子どもたちは,失敗すれば怒られるし,ミスに対して厳しく追及される。
先生方は子どもたちに「間違えてもいいんだよ。」「教室は間違えるところだよ。」と声をかけますが,声かけと態度が合っていない先生も少なくありません。
失敗したら,みんなから笑われ,場合によっては怒られる。そんな現状で,子どもたちが積極的に失敗することは出来ません。
心理的安全性が担保されていないからです。
残念ながら,失敗に対し肯定的な意見を教育の現場で聞くことはあまりありません。
その原因は,時間のゆとりの無さからくるものだと思っています。

時間がない=失敗させてあげられない

少し,想像してみてください。
例えば,
あなたには小さなお子さん(3〜4歳)がいます。
今日は大切な予定がある日。
今すぐに出かけなければ予定に間に合わない。
けれど,小さな子が自分で着替えをしたいと言っている。
こんな時,あなたはどうしますか?
子どもの意思を尊重して自分で着替えが終わるのを待ちますか?
それとも,今日は時間が無いから仕方がない,私(親)が着替えさせてしまう。
私は,後者を選択すると思います。その理由は,単純です。
時間が無いから。子どもが自分で着替えたら時間に間に合わないからです。
同じような状況は家庭以外の場でも起こり得るのではないでしょうか。


ちなみに学校現場でも起こり得ます。
授業は授業時数というものが決まっています。
1年間の授業時数,それをもとに各単元にどれだけの時間配分が出来るかを考えるのですが,かなりギリギリです。
学校行事が入ったり,何かの理由で学校が休校になったりしたらますますギリギリになります。しかし,学習内容を終えずに次のステージに進ませることはできません。よって,教師は,そのギリギリの時間の中で授業を組み立てているのです。

学校には時間がありません。だから失敗をさせてあげることが難しいのです。

本来は,子どもが失敗したときに
「〇〇さんのおかげで,このパターンはダメだとわかったね。ありがとう。」というような声掛けをしたいのす。そうすれば,授業や教室の雰囲気が,「あ,失敗はしてもいいんだ」となると思います。ですが,現状,なかなか難しいのです。

ですので,学校で失敗することができないのです。

私は,学校とは,子どもたちが試行錯誤しながら失敗を繰り返し,成長する場だと思っています。


しかし,現状ではそのような場になっていません。
では,諦めるのかというと,そうではありません。

自分で考え行動できるような子どもたちを育てたい

だからこそ,今回のような話を子どもたちにしました。

リスクを取らないことが成功への道のりとは限らない。むしろ,成功から遠のく可能性が高い

これを知っていて欲しかったのです。
そして,自分が取り得るリスクは何か,リスク許容度はどれくらいなのかを判断してほしいと思うのです。
リスクとリターンのバランスをとる
これは失敗を繰り返さないと身につかない感覚だと思っています。

例えば,幼い赤ちゃん。
どれだけ転んでも転んでも立ち上がろうと必死です。
何かに掴まりながら,自分の足で必死に立とうとします。
そして,自分の足で立った時のあの誇らしげな表情😅
しかし,その成功までの道のりには数えきれないほどの失敗があるのです。

今回紹介した動画とブログの作成者「両学長」はこんなことを言っています。
「成功するために必要なことは,最速で失敗を繰り返すこと」
だと。

子どもたちにも自ら考え,失敗し,その失敗を成長への糧としてほしいのです。そのために教師として私ができることは最大限やろうと思います。(例えば,他の先生に一緒に謝るとか,私の裁量の範囲内で挑戦させるとか)

子どもたちへもっと広い視野を持ってもらい,将来,自分のしたいことができるようになるためにも,このような考え方を伝えていきたいなと思っています。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

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いつもお読みいただいている皆様,ほんっとうにありがとうございます。

それではまた😊

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