違和感をおぼえたら迷わない
「なんかおかしいねん」
数年前の9月の連休初日の朝に母が発した言葉。
わたしにとっては待ちに待った連休で、平日にできないさまざまなことをやろうと、頭の中で考えていた。
でもそのままにはできないので、どうおかしいのか聞いてみる。
わたし「どんな風におかしいの?」
母「なんか、腕が重たくて上がらへんねん」
わたし「筋肉痛とかじゃなくて?」
母「力が入らへんねん」
わたし「なんで?調子悪い?熱とか吐き気は?」
母「熱はない。寝て、休んだらましになると思うけど、立ちあがるのがしんどい」
わたし「病院行く?」
母「疲れが出たんかな?血圧が高いからしんどいのかも。休めばマシになると思うけど」
連休の初日だったが、ダルそうにしている母を見て病院に連れて行った方がよさそうだと感じた。もう一度「病院に行った方がいいんじゃない?」と聞いたが、母は「休めばましになると思う」と繰り返すばかり。
しかも連休のためほとんどの病院は診療していない。救急病院に電話をかけるかどうか考えているとき、ふと救急車を呼ぶか迷う場合に電話で相談できる番号のことを思い出した。
以前、そのチラシがポストに入ったときに、救急車を呼ぶか迷う場合は相談できるんだということを知り、いつか必要になるかもと母と話して、見えるところにチラシを貼っていたのだ。
わたし「迷う場合に相談できる番号にかけて聞いてみようか」
母「うん」
ふと思い出した迷う場合に相談できる番号
迷う場合に相談できる番号とは、救急安心センター#7119のこと。
スマホをスピーカーにして、救急安心センター#7119の番号を押す。
呼び出し音が何回か鳴った後、女性がでた。
女性「救急安心センターです。どうされましたか?」
わたし「母が朝起きてから力が入らないと言っているのですが……」
女性「意識はありますか?話はできますか?」
わたし「意識はありますし、話もできています」
女性「力が入らないということでしたが、腕を肩の高さまで上げてそのままにしてみてください」
母が腕を肩の高さまで上げてみますが、だんだんと腕が下がってきます。
そのことを受話器の向こうの女性に伝えると、電話口の女性は救急車を呼ぶか、救急病院に行ってくださいと言った。そして通話が終了。
この電話を切った後、すぐに救急に電話した。
救急車が到着後、母は自分の足で救急車に乗り、わたしも同乗した。
救急隊の方が病歴、飲んでいる薬など、いくつか母に質問していた。 母が自分で受け答えをしながら血圧などを測られている。普段、高血圧ぎみなので、血圧は高い状態だった。 朝起きて力が入らないこと、救急安心センターに電話で相談したら救急車を呼ぶように言われたことを伝えた。 力が入らない、原因が不明のため病院で検査することになった。救急車がやっと動き出す。 その時は、そこまで大事になるとは思っていなかった……
病院に到着
病院に到着後、事態は急変。
救急車から降りると、看護師の方、事務員の数名が待機していた。
救急隊員の方から母の状態を病院の方に説明。
母はベッドのまま処置室に運ばれていった。
検査を受けた結果、脳の血管が詰まっていることが判明。すぐに処置をしなければならず、先生が説明してくれた。しかし、わたしは動揺してしまい精神的ショックに加え、専門用語だったため頭に入ってこなかった。
脳の処置のため、急変することがある。急変した場合の処置などの説明をされるが、動揺していたため、今となってはあまり覚えていない。
不安でどうにかなりそうだったことだけは、はっきりと記憶に残っている。
救急で運ばれた病院では処置できないため、処置のできる病院に移動することになった。
処置できる病院へ、そしてその後
処置できる病院へ移動するのも、救急車だった。
到着後、治療され、母はそのまま入院することになった。
しかし、幸いなことに、後遺症もなく入院治療後に退院した。薬の服用は必要ですが今は普通に生活できている。
この経験から伝えたいことは、家族に違和感を感じたらためらわずにすぐに行動した方がいいということ。
もし、あの時休めば治るという母の言葉を鵜呑みにして電話をかけていなかったら……
電話に出た救急安心センターの女性が救急車を呼んでくださいと言っていなかったら……
そう考えると、悔やんでも悔やみきれないことになっていたはず。
ですから、家族の様子がおかしいと思ったら迷わず行動を。
日常生活のなかで、ある日突然起こりうること。
もし、病院に行くか、救急車を呼ぶか迷う場合には、相談できる番号があることを思い出して。
家族に異変を感じたら、即行動を!
こどもの場合の番号は #8000
大人の場合の番号は #7119
実施しているエリアとそうでないエリアがあるため、詳しくはホームページを必ず確認してください。
あなたも、いざというときのために確認してみてはどうでしょうか。
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