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複業の時代に。「いろんなことをやる」のメリットとデメリット。

初めてお会いする人に、「お仕事はなにをやってるんですか?」と言われるのがすごく困る。ちょっと一言では返せないなあ…と思いつつ、正直に話すとするならばこんな感じ。

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もともとのキャリアはフローリスト(花屋)で、今は自分のお店を持っているわけではなく、たまに自分の屋号でレッスンをしたり出展販売をしたりする。定期的に行っている花屋のアルバイトもある。単発で頼まれて講師のバイトをすることもある。

そこから派生して、切花関連のサイトをひとつ運営中。完全にひとり運営で定期的に更新し、多くはないけれど収益もある。

もうひとつの軸は、銭湯の仕事。定期的にバイトで番台に入りつつ、公式twitterの運用をしたり。頼まれれば銭湯に関することをWeb媒体に書くこともある。そういうときは一応「銭湯ライター」と名乗ったりもする。

あとは、パートナーの事業の手伝い。作業的な手伝いもあるし、最近はYouTubeチャンネルを担当しているので、撮影や編集など。

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…ね、一言では説明できないでしょ。

今はこのくらいに落ち着いているけれど、ひとりで生計を立てていたころはこれに加えて夜に近所の居酒屋でバイトしたりもしてました。なかなかの混沌。

こうやって「いろんなことをやる」をモットーにやってきたわけですが、さすがに10年以上やっているといろいろな知見がたまってくるというか、良いことも悪いこともあるなあ、と思うようになったので、そのあたりを書いてみたいと思います。


【メリット①】収入源が分散される安心感がある

ひとつの会社に所属するにしろ、自分の事業を起こすにしろ、「これ1本!」と決めるということは、全力でひとつの船に乗るようなもの。沈んだらおしまいです。

少しずつでも収入源が分散されていると、どれかひとつがダメになっても総崩れしないという安心感があります。飛び石をたくさん置いて、あちこちに足を置けるようにしておくようなイメージ。

お花の業界などは不安定な会社が多く、実際にお店がなくなったり人員が減らされたり給料がカットされたりという場面を何度も見てきました。ここに体を預けていたら…と思うと、あちこちに複業を持っていたことは精神的に安心感があります。

【メリット②】いろんな人に会えるので面白い。飽きることがない。

ひとつの会社や業界の中だけにいるのって、閉塞感がありませんか。

私は、毎日毎日同じ人に会って、同じ価値観の中で働くことがけっこうストレスになるタイプのようです。学校が苦手だったのもたぶん同じ理由。

細切れで毎日職場が違うと、嫌なことがあっても引きずることが少なくなります。気が合わない同僚がいても、まあ週に2日くらいなら我慢もできるってもの。

また、毎日やることが変わるので飽きることがありません。ひとつのコミュニティにべったりしたくないタイプの自分には合っているようで、毎日がストレスなく過ごせるのは大きなメリットでした。

【メリット③】単発で面白い仕事に出会えることがある

週1日でいいんだけど、これやらない?とか、毎月コンスタントには頼めないんだけど、これやってくれない?という感じの面白い仕事があったときに、気軽にチャレンジできることです。

自分の例でいえば、29歳~31歳までの3年間、「週1日だけのカフェオーナー」をやっていました。シェアカフェで日替わりのオーナーを募集していて、それに乗っかってみたわけです。フルタイムで仕事をしていたらできなかったと思うし、「あ、やってみよう」とフットワーク軽く応募できたのはまさに「いろいろやっている」期間だったから。

また、今やっている銭湯のバイトもそうです。夜の短い時間帯で週3日くらい、のような半端なシフトでも「面白そうだな」の一点で挑戦できるのは強み。

そういうピンときた面白そうな仕事では必ず良い出会いがあるし、そのつながりはずっと後々まで続いているので本当にやってよかったなあ、と思うのです。

【デメリット①】成長スピードは遅くなる。成功はしづらい。

私の場合、自分でやっている自営業的な仕事(自分の屋号でするレッスンや販売、ライター、サイト運営)と、雇われて働く仕事(アルバイト系)がミックスされているのですが、自分の仕事で成功したい人は自分の仕事のみに集中するのが早道だと断言できます。

フルコミットしないと成長スピードは遅い。「遅い」だけでなく、いわゆる成功(それ1本で食っていく的な)はしづらくなる気がします。

トータルの作業時間が同じだとしても、「寝ても覚めてもそのことを考えて作業している1年間」の伸び率や吸収率は全然違うんですよね。

就職して最初の3年間は花屋のことしか考えてなかったし、結局そのとき得たものをその後の10年で少しずつ切り崩して使っているような感覚があります。なにかひとつのことをモノにするにはどうしても、集中する期間が必要なのだと思います。

【デメリット②】全力コミットしたいときにできないもどかしさがある。

これは【メリット③】と裏表なのですが、あれこれ掛け持ちで時間を細切れにしていると、まとめた時間がとりにくいということです。

いろいろやっている中で、うわあコレ面白い!もっとやりたい!と思うこともあります。この技術をもっと深く集中して学びたいなあ、とか。

あれこれ掛け持ちの体制を組んでしまっていると、そう思ったときにすばやくコミットできない…というのが難点です。

数年に一回くらい、あー全部やめてこれひとつだけに集中したい!というタイミングがあるのですが、なかなか踏み切れません。これは主に惰性とか情とか貯金の問題なので、よくないことだなあと反省する点です。


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【まとめ】

・「いろいろなことをやる」には向き不向きがある。
・「ひとつのことに集中する」期間も絶対に必要だし、それを取りたいときに取れることが理想

まあ、「いろいろなことをやる」のは、万人向けではないなと思います。自分の事業を成功させたい人はやめたほうがいいし、お金重視の人も別のやり方がある気がする。

ひとつのコミュニティにべったりしたくない自分のようなタイプには、「いろいろなことをやる」働き方が合っていました。人生の安定や安心より「面白さ」を重視している人にはいいかもしれません。

また、今はひとつの会社が一生安泰な時代でもなくなってきたので、そうでないタイプの方も「ふたつくらいのことはやる」方がよいのではないかな~と思います。

とはいえ、「ひとつのことに集中する」期間はとても必要。新しい分野の仕事を覚えたり、技術を身につけたりするためには必須です。

自営でも雇われでもいいので、社会に出て数年は「ひとつのことに集中する期間」にした方がいいかもと思います。「いろいろなことをやる」はそのあとの方がやりやすい。

そして身につけた技術やノウハウは10年くらいはもつけど、だんだん目減りしてくるので、「ひとつのことに集中する期間」を再度取れるとなお良いですね。


いろいろなことをやりたいタイプの自分は、

「集中して何かを身につける1~3年」→「それをもとにふらふらといろんなことをやる」→「集中して何かを身につける1~3年」→「それをもとにふらふらといろんなことをやる」

とループしていくのが自分の働き方としては幸せなんじゃないかと思っています。

というわけで、2回目の「集中して何かを身につける1~3年」をそろそろやりたいなあ…と思いつつ、日々の生活もあるのでうーん、と相変わらずとっ散らかった毎日を送っている最近なのでした。

「働き方」といっても多種多様。自分に合った働き方を試行錯誤している方の参考になれば幸いです。


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