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みずき自然農園紹介

2021年春、ぼくは畑付きの空き家(古民家  要・修繕)を買いました。
場所は、小説「海が見える家」シリーズ(小学館文庫)に続き、新たに書き始めた小説「山に抱かれた家」(小学館「WEBきらら」2023年5月号より連載)の舞台、群馬県南西部。ぼくにとって、主人公の文哉と同じく、縁もゆかりもない土地です。
地元の人によれば〝山奥〟です。
そんな田舎で果たしてやっていけるのか?
自分で試してみようと思い、その後、移住を決めました。
実際、書斎で仕事をしていると、庭を平然とイノシシが通り過ぎたり、サルが屋根に登ったり、畑に特別天然記念物のニホンカモシカが現れたりもします。


畑は、梅畑(休耕地)なのですが、当初は篠竹に覆われ、梅の木が何本生えているのかも定かでないありさまでした。藪の奥に梅の木や錆びたハシゴを見つける、といった具合です。
そんな梅畑を再生しつつ、小説を書きながら、1年目から生産者として梅を出荷しました。そのときの感激は今も鮮明に覚えています。

ぼくに農業の経験はありませんでした。親類縁者に農業関係者はいません。家庭菜園やガーデニングの経験はありますが、言ってみれば素人です。
だからこそ、既成概念に囚われず、できることがあるような気がしています。
農園の名前に「自然」を付けたのは、山の中腹という自然と接している立地であり、自然に沿った農作物づくりを心がけているからです。農薬や化学肥料に頼らず、自然農や自然栽培を参考にして取り組んでいます。

最近、2300平米の田んぼ(5年ほど使われていなかった休耕地)を借りないかという話をいただきました。広い土地には、竹やウルシやフジ、僕に馴染みとなった篠竹が生えています。イノシシがさんざん入ったのか地面は凸凹です。水はけは、かなり悪そう。


こちらで親しくなった農家の先輩からは、なんであんなところを借りるんだと叱られました。トラクターで耕してやりたいが、木の根などがあるため使えない、とのことです。もっとも僕は管理機と呼ばれる小型の耕運機すら所有していません。
近所のおばあには、そこでなにをつくるつもりか尋ねられ、「とりあえず里芋とかカボチャとか?」と答えると、「できたとしても、イノシシやハクビシンにみんな食われちまうさ」と笑われました(笑)。
でもぼくは、試してみようかなと思っています。
自分の手でなんとかならないものか。
最初に再生した梅畑の経験がぼくにはあるからです。
コツコツと続けることで、目に映る景色は必ず変わってくるものです。
毎月原稿30枚の連載小説が、終わったときに長編小説に仕上がるように。

借りるとすれば、自分の畑、これまで借りている畑を合わせると、約3600平米の農地となります。
さて、どうなることやら……。

ぼくのTwitterでは、

農園情報などもちょこちょこ配信していましたが、今後はNOTEで田舎暮らしの記事としてもアップしていこうと思います。
自然のなかでの生きる実感や、生きていくための糧を手にする喜びを少しでも共有できれば……。
ぼくのモットーでもある〝自分の人生は自分でおもしろくする〟そんな不確かな歩みを綴るつもりです。
もちろん、小説を書きながらーー。
田舎の小さな農園の成長の日々をお伝えしつつ、読者の方々には見守り応援していただければ幸いです。
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小説家 農園主 はらだみずき


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