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長女ががずっと大事にしてきた人形を汚した。

 長女には1歳のときからずっと大事にしている人形がいます。
 その人形は、長女が1歳になるときに保育園から渡された軍手人形で、私が髪の毛をつけたり服を縫って作ったりしてなんとか完成せさた手作りの人形です。

 お世辞にも綺麗・可愛いとは言いがたい人形ですが、長女はとても気に入ってくれてお出掛けするときも寝るときも「サリーちゃん、サリーちゃん」と言ってずっと手元に置いていました。

 そんな長女にとってパートナー的な存在であるサリーちゃんの顔を先日クレヨンでぐちゃぐちゃにしてしまったのです。

 赤と青に塗れたその顔を私から見るとちょっとみるに耐えない姿になっていました。
 
 なんで長女がそうしたのかは分かりません。でもサリーちゃんの顔をクレヨンで塗りたくった後、隠しながら私のもとに持ってきた長女のはいたずらをしたときの子どもの顔をしていました。

 なぜそんなことをしたのか詳しくは聞いていませんが、長女にとってはお化粧をしてあげたくらいにしか思っていなかったのかもしれません。

 赤と青色に染まったサリーちゃんの顔。
私は大人なので知っています。そのクレヨンで染まった人形の顔がもう二度と前のようには戻らないことを。
 私は「ちょっと!何やってんのよ!」と言いそうになるのをぐっと堪えて(実際は「ちょ!」までは口に出てしまっていましたが。笑)、「わあ、どうしたんその顔。でもそれクレヨンで描いちゃってるからとれないよ?」と優しく伝えてみました。
 
 長女は「え!?」と驚いたような顔をしていた気がします。
 「取れるか自分でやってごらん」と言って私は長女がどうするのか見守ることにした。

 長女はまず洗面所の水で洗い流していました。でも取れません。
 次にタオル、ペーパータオル、ウェットティッシュ…と試していきますがなかなか取れません。
 クレヨンが取れないと諦めたのか、サリーちゃんを片手に持ちながら「一緒に寝るわ」と私に言ってきます。
 でも水で濡れているから一緒には寝れないと伝えるとええ…と嫌そうな顔をする長女。
「じゃあ違う人形と寝るわ」という長女。
じゃあサリーちゃんはどうするの?と私が尋ねると「サリーちゃんはいらんわ。」と。
「じゃあサリーちゃん捨てちゃうの?」「ううん」と少し悲しそうな顔の長女。
私は「サリーちゃんをきれいにしてあげたいんやけど方法がわからないんやね?」ときっと長女が思っているであろうことを代弁しました。 
 「クレヨンが全部取れるわけじゃないけど、お母さんがきれいにしてあげようか?」と聞くと「うん」と応える長女。

 きっと自分なりにきれいにしていようといろいろ試したけどできなくて、でもどうしたらいいのかわからないしそれを伝えることもできなかったんだろうなぁと。

 その後洗濯洗剤を使ったりなんやかんやして全部とはいかなかったけれど、汚れを落としました。

 この出来事で娘が学んだことは、クレヨンで書いていいもの(紙)と書いてはいけないもの(ぬいぐるみ)の違いとものが汚れたときの落とし方、でしょうか。
 私が学んだことは、なんでもかんでも口を出すのではなくてとりあえず娘にやってみさせることと待つこと。
「ちょっと、何やってんの!?」と怒るのは簡単ですが、子供になんでそうしたのか、もとに戻すにはどうしたらいいのか、を子供自身に考えさせる、子供が実践している間は口を出さず待つことを今回身を持って体験しました。

 ちょっとしたやり取りだけど、良い親子の時間を過ごせたような気がしました。


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