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月光、あるいは届かない手紙の事(二次創作詩/パライソに寄せて)



そろそろ届いたろうか。
月光は、彼方に。

   (配達証明は果ての地でも有効なのか?)


なわとびをしているんだ。
何度も何度も波打ち際でさ。


  ほうい
         ほうい

蟹の背を飛び越せよ
  はさみにつかまるな
     そら、明日の穴が口を開けるぞ


ほうい
    ……おおい
         ……ほうい

    (流されてゆけ、遠く、遠く)



呼んでいたのは誰だったろう
  一緒に行こうと誘われたのだけれど
    蟹たちが離してくれないんでね
  いや、眠らないんだ、君の返事が来るまでは。

  (甲羅の音が、つま先から抜けなくてさ)


明日には雨ぐらいふるだろう
波は遠くから砂を打ち寄せて
彼方の言葉を教えてくれるだろう。

  ほうい   ほう  い

(波と言うのは、炎と似ているよな)


           end/ソナタのように

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