『ガラスの海を渡る舟』寺地はるな~その船を降りて漕ぎ出そう。わたしだけの、小さな舟で。
「俺に言わせれば、道も羽衣子も恵湖も俺も、みんなふつうや」
「ひとりひとり違うという状態こそが『ふつう』なんや。『みんな同じ』のほうが不自然なんや」
…… P41. 42. 道の祖父
「相手の気持ちになって考えましょう」そんな言葉を、小学生の頃から数えて何度聞かされたことだろう。
けれど、相手の気持ちをほんとうに分かる事なんてできるのだろうか。私は、あの人ではないのに。
小さい頃から何度も噛みしめたその思いを、改めて思い出した一