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アセクシャルをパートナーにカミングアウトしたい。

アセクシャルを自認できたことはうれしい。

自分に素直になれたから。キスとかセックスとかしたくないって変なことじゃないんだって思えたから。いやだけどいつか大切なひととしなきゃいけないって不安になる必要もないってわかったから。

私は変じゃないし、がんばる必要もない。したくないならしなくていい。アセクシャルを誰かに責められることもない。

アセクシャルを自認することで、安心できた。居場所があった。私だけじゃないんだって思った。

わたしのセクシャリティを理解してくれないパートナーならいなくても平気。自分に嘘をついてまで、傷ついてまで、好きでいる必要なんかない。そんなパートナーなら別れたっていい。ずっとそう思って生きてきた。

けど、今はそうは思えない。カミングアウトがこわい。理解されないことがこわい。好きが強くなるほど。時間が経てば経つほど。カミングアウトのハードルは高くなる。

私はアセクシャル。ひとを好きにはなるけど、性的な魅力は一切感じない。できれば手はつなぎたくない。でもひとのぬくもりは好きだからハグをすること自体はだいすき。キスとかセックスはもう絶対にできない。たとえ相手のためにがんばりたいって思っても。私にはもうできない。

アセクシャルだって自認する前まではできた。というか、しなきゃいけない、受け入れなきゃいけないって思ってたから。思い出したくもないけど、がまんして相手からのキスは受け入れた。でもやっぱり、キスした時の感触とか光景とか全て、思い出しそうになると無意識に頭をぶんぶん振って記憶から消し去ろうとする。思い出したくない。最初は、なにかしらのトラウマとか、よくある蛙化現象とかなのかなと、ネットで同じ思いをしている人を探してた。ネットには性嫌悪の対処法が大量に載っていた。けど、私はその対処法を試したいとは1度たりとも思わなかった。別にキスへの嫌悪感をなくしたかったわけじゃなかったし、キスしたい!って思えるようになりたいなんて1ミリも思わなかったから。だから、アセクシャルというセクシャリティにたどり着いたとき、ああ、これでいいんだって安心した。

アセクシャルを自認してからは人生が楽になった。けれど1つ大きな問題があった。私にはアセクシャルではないパートナーがいる。キスだってしてくる。だってそれが彼にとってあたりまえの愛情表現だから。

最初は、相手のためならたまにがまんしてキスしたりセックスしたりできるかなと思っていた。自分はそういうタイプのアセクシャルだと思っていた。

アセクシャルの自分と向き合った約1ヶ月の間、アセクシャルであることを肯定し、自分に素直になれた。けどふと気づいた。アセクシャルを自認する前の私にはもう戻れないと。少し我慢すればできたキスも、なんとも思わなかったボディタッチも。いやだいやだいやだ。したくない。そう強く思うようになっていた。

もう無理なのかもしれない。今後、もし彼にカミングアウトできたとして、彼がそれを理解してくれたとしても。きっとそのうち、愛情表現の違いに差がありすぎて、お互いにつらくなる。そのうちだめになるだろうな。私が我慢すればこの関係を壊すことはない。けど、彼のために自分に嘘をつくことはできない。ありのままの自分を見せていたいから。

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