夢を叶えられた人は、努力を続けられた人。
テレビから流れてきた言葉。
夢は叶えるものではなくそれに向かって努力を続けていくこと。
今の私にとって、ひどく胸を打たれる言葉だった。
小学生の頃から小説家になりたくて、中学校では文芸クラブを立ち上げてガリ版刷りの文集を作った。少女小説の雑誌の大賞に応募して、誌面に小さく自分のペンネームが載ったのを見て喜んだ。
高校では、漫研に入り、小説を書いて同人誌を作り、地元のイベントで売った。社会人になって、自分で自由に使えるお金が増えると、東京まで行ってイベントに参加して同人誌を売るようになった。
やっぱり東京まで行くと自分の書いているものが、そんなに売れないということに気づいた。どうしても私は他人からの評価を気にする性分で、これなら続ける価値はないんじゃないか?と思い、そこで諦めてしまった。
それからは、日々を淡々と過ごした。特に夢中になるものもなく、職場と自宅を往復するだけの日々だった。仕事で嫌なことがあると、そのことばかり考えてしまい、自分で自分を追い詰めてばかりいた。
けれど、五年前に出会ったドラマを見てまた自分で小説を書いてみたくなり、二年ほど東京や大阪のイベントに自分で書き上げた小説の同人誌を持ち込んで売る活動をしていた。地元にいる自分ではなくて、ペンネームでの自分しか知らない人と交流するのは楽しかった。
コロナ禍になり、三年前でその活動はやむなく辞めることになった。
それからまた、職場と自宅の往復の日々。コロナ禍もあり、気晴らしにどこかへ少し出かけるということもなくなり、小説を書こうという気持ちにはなれなくなった。
今春から文章講座に参加して、少しでも文章を書く生活になった。
自分のことを書くということを、今までやったことがなくてためらいもあったけれど、書いているうちにどうしたら読んでくれる人にわかりやすいか?などを考えて書くようになった。また、先生から文章を組み立てる方法を習い、今まで自分が書きたいように書いていた小説が実際読んでくれていた人に伝わってなかったのではないかと思った。
今なら、やれるかもしれない。
諦めてしまった夢に向けて、努力を続けていこう。
色々気を取られたりはしているが、以前のように小説を書いて発表する生活に戻していくつもりでいる。