【2ch怖い話】貸してくれた家がヤバすぎた!『老夫婦の家』【ゆっくり朗読】

中学生の頃、家が火事にあいました。全焼で家を失ってしまったのですが、
父の商売の関係でどうしても同じ町内で家を見つけなければなりません。
新居を見つけるまでの間、私達は斜め前のお家に間借りすることになりま
した。

 その家は1年ほど前に相次いで老死した夫婦の家でした。本来なら家は
遺族が住む筈でしたが、その息子夫婦も郊外に家を持っている人達で、
今更その老夫婦の家に移り住む気もなく、また、人に貸す気もないと言う
ことでそのままにされている家だったのです。
 もちろん斜め前に住んでいた私達はその老夫婦のことも知っていたし、
その家の状況も知っていました。だからこそ、こんな事態のときに家を貸
してくれたくれた息子夫婦の申し出を有難く思い、感謝の気持ちでその家
に移ったのです。しかし、初めてその家に入ったとき、私達一家はちょっ
とした戸惑いを感じていました。

 家は1年前に主を失ったと言うのに家財道具がすべて残されており、何
一つ処分されたものはなかったのです。月に一度は遺族が掃除に来ている
と言うことで、冬らしくコタツの上には老夫婦の湯のみ茶碗が置かれてい
る、そんな状態で家は保存されていました。まるで老夫婦が亡くなってこ
の世にいないことが嘘のようです。無人のはずの家に妙に生々しい生活感
があるのが何か不思議な感じでした。
 私達一家は元々火事で焼け出されているので必要最低限な物しか持って
いません。食器類などこの家のものをすべて借りつつ、当面は生活してい
くことになります。

この家に移り住んだその初日、引越しのあわただしい中で私一人がこの
家の留守を任される場面がありました。手持ち無沙汰の私は居間にぽつん
と残り、部屋を眺めていたのですが、その部屋に据えられている仏壇に興
味を持ちました。私の家は無宗教なので仏壇の無い家でしたが、仏壇のあ
る家では何かとそれに手を合わせる習慣があるのを見聞きしていました。
この家にお邪魔している身なのだから、仏壇に手を合わせるくらいはした
ほうが良いのではないか?子供ながらもそう考えたのです。早速お線香に
火をつけ、仏壇に向かって手を合わせました。しかし、線香の匂いが立ち
上ると、妙に私は落ち着かなくなってきました。何か、視線を感じるので
す。仏壇から、じっと私を見ている気配が感じられます。その視線は冷た
く、明らかに私を疎ましがっている視線でした。
 私は急に怖くなってしまい、仏壇から逃げるように居間の中央まで移動
しました。お線香の匂いは部屋中に充満し、じっとりとした嫌な雰囲気に
なっています。私は何か自分に出来る仕事は無いかと思いました。何か動
いてないと不安だったのです。

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以下、動画。

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