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念願の二重になって感じたこと

わたしは昨日、念願の、念願の二重になった。(ちなみに、埋没法ではなく切開法)
実際に体験してみると、わたしは美容整形をずいぶん軽いことのように考えていたなと思う。なんだろう、手術をすることはわかっていたのだけれど、風邪を引いたらかかりつけ医にかかってインフル検査をするみたいな、そんな感覚に思っていた。麻酔もあるし、手術台に乗るし、切って縫うことは知っていたのだけど、感覚としてはそれくらい軽かった。

実際手術をして思ったことは、当たり前なのだけど、こんな軽いもんじゃないわ!死ぬかと思った!だった。わたしは中学生の時、全身麻酔をして鼠径ヘルニアの手術をしたことがある。1泊2日で入院もしたのだけれど、その時と同じくらい大変なことだった。ただ入院していないバージョンってだけで。

わたしは二重整形をしたので目のことを語らせてもらうのだけれど、目をいじくりまわされるのってめちゃめちゃ怖い。かなり怖い。手術をするって、想像の1万倍怖かった。

わたしは手術の映像を見るのが割と好きなタイプだったので手術の直前まで、
手術を経験できるなんてラッキー!どんな風に感じるんだろう楽しみ!ワクワク!と思っていた。手術の大変さはわかっていたのだけど、その大変さを体験するのが楽しみだったので、牧場で乳搾り体験をする子供のようなマインドでいた。そんな若干クレイジーよりなマインドをもったわたしでも、術中は恐怖と不安でいっぱいになった。止血やなんやらでめちゃめちゃ目を圧迫されるし、すると頭に血が昇る感じがして息ができない。そして眩しいのに目に力を込めてはいけないし(内出血しやすいし先生が手術しにくくなる)、ジジジっと焼けるような音と匂いが目の付近からする(恐怖!)。かなり怖いし、これって日常では経験しないだいぶやばい体験だと思う。

これを事前に知っていたなら、わたしはたぶん二重切開法はしなかった。できなかった。それくらい本当に怖い思いをしたのだ。普段心配性のしの字もないわたしでも、目が失明したらどうしよう。このまま瞼が開かなくなったらどうしよう。と怖くなり呼吸が浅くなった。

そして笑気麻酔も怖かった。
笑気麻酔とは、瞼にする麻酔の不安を和らげるために行うもの。ボーっとしたフワッとした気持ちになって、体の緊張を和らげるらしい。
わたしが選んだクリニックでは、オプションとして提供されていたのでつけるかつけないかは自由だった。麻酔で怖くなって目に力を入れてしまうとアザが残りやすいと聞いたので、笑気麻酔をすることに決めた。
でも実際経験するとボーッとするというよりは意識が遠のくという感じで、それと同時に手足が自由に動かなくなる。まるで大量出血をして意識が遠のくような体験だったので、これも死ぬのではないかと怖くなった。

そんなこんなで1時間近くお医者さん看護師さん1人ずつの体制で、痛みは大丈夫ですか?と声をかけてくれたり、肩を一定のリズムでポンポンして安心させてくれたりしながら手術は終了した。

手術中は今何をしているのかという口頭説明はされなかったので、今瞼を何かでいじっていることしかわからなかった。でも30分近く経ってから、じゃあ今から二重にしますねーと言われた時、いや!まだしてなかったんかい!と強めに突っ込みそうになった。そのくらいさっきまでの30分間、瞼をいじくりまわされる恐怖体験を我慢していたのに、まだだったんかい!と思ってしまった。
手術中は何回も麻酔を追加するので、瞼が異様に重いし鈍い。けど相当いじくりまわされているのが分かる。その感覚が怖かったのだが、縫っている時に一部麻酔が切れかけている部位があり、あまりの痛さにずっと我慢していたのに目に力が入ってしまった。でもその痛みのおかげで、ああ今わたしは麻酔によって守られているのだなと実感でき恐怖心が和らいだ。

1時間の美容整形を終えて思ったことは、美容整形している全ての人への尊敬の思いだった。こんなに大変な思いをしてまでなりたい自分になろうとしているなんて、わたしを含めなんて尊いの…!!なんてすごい勇気…!!という思いでいっぱいになった。

でも残念ながら、美容整形に対する世間の評価はモヤモヤとしたなんとも言えない反応が多いように思う。ええ?整形したの?という感じ。あれ、嫌いだ。
二重整形は割と身近になってきているので、いやな感じの反応はされなくなってきていると思う。でも、その他の整形についてはマイナス寄りの発言が多いように思う。この人綺麗だよね!え?整形してるんだ。へえ〜じゃあ綺麗なはずだよね。お金かけてるもんね。という若干嫌味のような引いているような。わざわざ大金出してまで整形したいんだ。へえ〜みたいな。でもそれって整形でしょ?なんだ整形じゃん。金払って綺麗になるなら楽だよね。みたいな。そんな反応があまりにも多すぎるとわたしは思う。美容整形が以前より身近になった今でも多く聞く。整形していることに対しての若干の嫌悪感とお金で綺麗を買えていいですねという嫌味感を確かに感じる。お金をかけずに肌を綺麗にしたり化粧品でうまく目を大きくしたりすることが正しい。という風潮があるように思う。

まあ、整形についてどう思うかって完全に個人の自由だ。なのだけど、あれだけ覚悟決めて苦労して整形するのに、そんな反応って悲しすぎる…!!とどうしても思ってしまう。
それに整形って基本的に自分のためにするものだ。だから、周りの反応を気にするものではないというのもわかってる。でも歯の矯正をしたら綺麗になってよかったね!と善意100%の返答がもらいやすいのに、なぜ美容整形だとダメなの?と思ってしまうのだ。

確かにお金をかけずに自分を綺麗にするのは大変なことだと思う。安いなりにいい効果のある化粧品を探すのも大変だし、商品を使って綺麗に見せるように化粧の練習するのも大変。かなり手間がかかるので低コストだけれど実は高コストだよなーと思う。ネットを開けば先人たちが研究した成果を載せてくれたりするので、だいぶ需要があることなのだろうなというのも一目瞭然だ。
それに比べて、美容整形なんてクリニックに行ってお金を払って医者にやってもらうだけなんだから楽でいいよなって思ってしまう気持ちもわかる。

でも、

はっきり言って、

美容整形って、 楽じゃない!!!


選挙カーにのってマイクを持ち大声で叫び回りたい!!

美容整形は楽じゃなーい!!!


と。楽ではない!!!むしろ人生で辛かった瞬間ベスト3に入るくらい辛い!!!苦しい!!!怖い!!!大変!!!と。


当たり前のことなのだけれど、手術を受けるには、まず、お金が必要になる。
二重切開法はだいたい20〜30万くらいのお金が必要だ (高い!) 簡単にパッと支払えたらいいなと思うのだけれど、その大変さは、働いている皆さんなら共感いただけると思う。仮に都内でひとり暮らしをしていたとして、1ヶ月のお給料でポンとそのお金を出すのはかなり難しく、現実的ではない金額だ。せめて冬のボーナスまで待ってほしいくらいの金額。
そしてお金が用意できたらクリニックを探す。(お金とクリニック探しは順番逆な人多いかも!)クリニック探しの大変なところは、今がネット社会で、様々な情報が溢れているところだ。あまりにも情報量が多すぎる故に、どれが正しい情報なのか判断する難易度が上がる。わたしを含め二重整形のために必要な医学の知識などない人が多いので、どのプランがどう良くてどんなデメリットがあるのか一目ではわからない。どのサイトを見ても、激推しプラン!がいくつか並んでいるだけで、他のクリニックと比べてどういいのか、このプラン金額は高いけど何が違うのかわからない。そもそも余分なプランが混ざっていないか、ぼったくりではないか、考えることが多くて判断するのは本当に骨が折れる作業なのだ。
そしてやっと選んだクリニック先で、技術力があり、この人なら任せられると言う信頼できる医師に出会うのも一苦労だ。ある程度ネットで医師の経歴は見れるけれど、人柄までは流石にわからない。出会いは一期一会だし、医師との相性は人によって違うし、そもそも医師に会う機会もポンポンあるものではないので、この人に任せたいと思える人に出会えるのって想像しているよりも難しい。
無事医師が決まり手術当日を迎えても、意識のある中(局所麻酔なので)、自分の大事な大事な瞼を切って焼いて縫っている行為を、恐怖でいっぱいになりながら我慢することもかなりの地獄だ。
術後はどんどん腫れてくる手術部位に恐怖を感じ、そして痛みも強くなり、まばたきも上手くできず目に少しでも力を加えると激痛が走る。デリケートな目に常に気を張っているので疲れてしまい、食べることが大好きなわたしが疲労で食欲がなくなってしまうくらい憔悴する。

これって楽なのだろうか。

わたしが二重整形をしたのは、毎日目のむくみに気を使いアイプチをしていたあの地獄から抜け出したかったからだ。目の皮膚が伸びるのも嫌だったし。
でもそんな毎日の方がよっぽど楽だと感じてしまう。あんなに毎日大変だったのに、手術をせずに毎日アイプチして生活している方がよっぽど楽だと感じてしまうのだ。それほどまでに美容整形は大変なことだと思う。
それでも稼いだお金で美容整形をして、こんなふうに素敵になりたいと勇気を出している方々は、本当にすごい。わたしは1回の美容整形でビビり倒してしまって、違う種類の整形もやってみたい!やるぞ!と思っていたのに、二重整形をしてじゃあ次をこれやろう!とは思えなくなってしまった。素敵になることがわかっていてもできない。何年かしてこの体験が薄れたら意欲が湧くかもしれないが、今は怖くてとてもできそうにない。

美容整形をするって本当にすごい覚悟がいる。そしてお金もかかる。
でもその値段分の重みがある体験が美容整形なのだと思った。これより安い値段で提供されて、その値段分の働きしかされないのなら、怖くてとても手術を任せられない。値段には、十分に意味がある。もちろんちゃんとしたクリニック選びをしないとぼったくりもあるのだが。

なりたい自分になるって、どんな方法でも大変で、苦労があって、簡単にできるものではない。お金をかけている人も、コストをかけている人も、平等に大変で、手間がかかる。そして綺麗になりたい可愛くなりたいという純粋な気持ちもどちらも本物だと思う。なりたい自分になることに近道なんてなくて、それぞれの苦労があり大変さがある。そしていろんな苦労やリスクを背負ってまで素敵になろうとしている人たちはみな平等に素敵なのだ。

綺麗になるって全然楽じゃない。好きな自分になるって大変だ。
でもなりたい自分になれた瞬間は、何事にも比べられないくらい嬉しくて、幸せで溢れている。この先何年生きるかわからないが、嫌いな自分でいるよりも、好きな自分で生きていきたいと思う。
そのためにできることはなんだってしていきたいし、その手段を人にどうこう言われるようなことがなくなればいいなと思うのだ。

美容整形をする人への覚悟や敬意が、いろんな人に少しでも伝わって欲しいと思う。そして今後、美容整形への印象、考え方、捉え方が、"ちょっとモヤモヤ" から "ほう、いいやん" みたいな、いい方向へ変わっていくことを願っている。

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