問が見当違いならいくら答えをだしても目的地には近づけない

私は、見当違いの問いにもっともらしい答えを出すのではなく、正しい問いに対してまずまずの答えを出したい

帝国の参謀

アメリカの国防総省総合評価局で40年近くもの間、
局長を務め軍事戦略に大きな影響を与え続けた、
アンドリュー・マーシャルという方がいます。

能力中心、自由主義による実質的な弱肉強食を是とするアメリカで、
それだけ長きにわたり影響を与え続ける存在であったことを知れば、
どれほどアンドリューさんが際立った存在であるかがわかるでしょう。

冒頭の言葉はそんな方がどのようなスタンスで現実に向き合っていたか、
その一端を知るために極めて重要なものであると思う。

アンドリューさんはそもそもある国、引いては世界がうまく回らないのは、
前提となる、答えるべき問いが間違っていることが多いからだと考えた。

間違った問いにいくらもっともらしい答えを出したところで、
現実により良い影響を与えるわけではないとしたうえで、
一貫して問いを立てる段階に力を注ぐべきだと考えていたことがわかる。

そして問いが正しければまずまずの答えで大きな良い影響を与えられる、
繰り返しになりますが40年というアメリカでは異例の長さを、
重要なポストについて過ごした方の考え方ですから説得力が違う。

この考え方、姿勢から学ぶべきことは多くあるように思う。

何かを成したいと思ってもうまくいかないことは往々にしてある、
いくら試行錯誤して経験等を積み重ねても何も変わらないこともある。

ですが前提となる問いがそもそも見当違いの方向を向いていれば、
いくら試行錯誤等したところで正しい方向性のものは積み重ならない。

方向性が誤っている、進んでいる方向が最初から見当違いなのだから、
いくら頑張って極まった答えを出そうとも目的地には近づけないでしょう。

しかし正しい問いであればそれに対してまずまずの答えしか出せなくとも、
方向性が合っているのだから目的地には徐々に近づいていける。

正しい方向性のものを積み重ねていればいずれそれらが相互作用し、
一気に目的地に近づける何かを生み出すこともあります。

正しい問い、前提をまずきちんと定義してから考えるという姿勢が、
どんな状況、どんな分野であれ重要になってくると思うのです。

逆に下手の考え休むに似たりといった言葉もあるように、
前提の整ってない状況でいくら考えそれっぽい答えを出しても、
それは休んでいる、何も前進していないのと変わらない。

むしろきちんと回復に努めているだけ休んでいる方が有益でしょう。

見当違いの問いにエネルギーを注いで疲弊しながら考え答えを出して、
だけどそれは現実に何も良い影響を及ぼさないとなれば。

個人にせよ社会にせよ疲弊し後退していく一方になってしまう、
そういう状況に陥らないためにも。

まず問をきちんと考えるということは意識するのが大事だと思うのです。


では、今回はここまでです。
ありがとうございました。

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