やる気は根本的に人に備わっていない

やる気がでない、でたらやるみたいなこと、
考えたことがある人は多いでしょう。

あるいはどうして何にもやる気がでないのだろう、無気力なのだろうと、
自らを責めたりした経験もあるかもしれません。

古今東西、やる気をだすためのあらゆる教えや方法論が生まれ、
だけど今だに万人に効果のあるようなものは生まれていない。

で、思ったのがそもそもやる気なんてものは最初から人には備わってない、
あるのは反応と超克で能動的にやる気をだすのは無理なのかもしれない。

と言うのも、人には無意識と意識というある意味2つの人格があり、
それぞれ思考傾向やそれによって生まれる意志の性質に違いがある。

無意識は積み重ねてきたものを1つのプログラムとして確立し、
受けた刺激に対して一定の反応、例えば感情などを示すもの。

一般的に言われるやる気とはこういう無意識の反応を指すもの、
ある物事(刺激)に対した時に前向きに行動したいという反応でしょう。

対して意識は主に想像力を駆使して能動的に物事を考える、
それは俯瞰、より広い範囲を認識し考えることもできるし、
未来、未だ定まらない未知の何かについて考えることもできます。

ただ、無意識の感情のように強い動機(やる気)を生み出さない、
能動的だけど客観的、自分事だけど他人事のように物事を考える。

だからこそ時に自分という枠を超克する、無意識の反応を乗り越えて、
新たな道を見出すことが可能となる。

この両性質を把握しておくとまず反応からくる気持ちの良いやる気は、
どれだけだそうとしても短期間ではだせないということがわかる。

反応は過去によってすでに定まっているからで反応を変えるには、
変えるに足るある程度の経験等の積み重ねが必要だからです。

そして意識的なやる気は必ずしも気持ちの良いものではない、
時に無意識の反応を無視してでもやるべきと考えることをやることであり、
人は意識より無意識の影響を強く受けるためそれを度外視する必要がある。

ようは、かなりの負荷がかかるからです。

つまり、やる気をやるべきことに対する前向きな意志と定義するなら、
やりたいことを是とする無意識がそのような傾向を持たない限り、
後天的に即座にやる気を生みだすのは難しいということ。

少なからず意識的な意志によって迷いや葛藤からくる苦しみを乗り越える、
現在の自分自身を能動的に超克することが必要になるのです。

と、いろいろお話してきましたがつまりやる気にはいくつか軸があり、
その組み合わせによって種類があるということ。

軸とは①反応②超克という人の基本性質から生まれる2軸と、
①やりたいこと(自分中心)②やるべきこと(現実的)という、
物事に対するスタンスの2軸。

理想的なのはやりたいこと、やるべきことが共に反応と合致し、
自然と行動できるような状態でしょう。

やるべきことが反応に合わないなら現実的な行動が取りづらくなる、
少なからず超克、苦しくても乗り越えたいというやる気が必要になる。

やりたいことに反応するだけのやる気では現実に沿わず、
結果を出せない可能性も高まる。

やるべきことに超克が組み合わされば苦しいかもしれないけど、
それを乗り越えるだけの強い意志を持って前に進むことができるでしょう。

何にせよ能動的に気持ちの良いやる気をだすことは人にはできない、
反応と現実が合致しない限り理想のやる気は生まれない。

それを理解したうえで物事に対しやろうと考えているにも関わらず、
やる気が出ない時はこの軸を当てはめて今の自分のやる気の無さとは、
どういう類のものであるかをまず把握してみると良いです。

とは言えやる気がないことに悩むような物事であれば、
それはやるべきだと意識的に考えていることであるのでしょう。

やるべき、だけどそれは反応と合致しないという可能性が高く、
であれば後は苦しくても乗り越えたいという超克の意志があるかどうか。

超克できないのであればそれは現時点の自分から生まれる意志では、
どうあがいてもできない物事であるということになる。

能動的にやる気を生み出せない類の物事なのです。

であれば外からの激的な影響で偶然できるようになる可能性を待つか、
あるいはやるべきことをないがしろにした結果手遅れになるまで、
強い反応が生まれるまで別の道を模索しながら放置するか。

そんな運や手遅れなんて嫌だと思うかもしれませんが少なくとも、
小手先のテクニックや方法論、教えなどでやる気は能動的に生み出せない。

逆に言えばそれで生み出せるのであれば元々自分の中に、
そういうやる気、意志の種があったということです。

その種すらないなら繰り返しになりますけど現時点で、
即座にそれを解決する方法はないと考える。

であればやる気がないことを理由にいつまでもそこに留まっているよりは、
別の道で知見や経験を積み重ね自分を変化成長させることで、
いざという時に備えるというのも1つの選択。

極端な話、超克したいという意志もどちらかと言えば反応の1つであり、
極論言えば人は反応以外に自身を動かすことはできないのかもしれない。

反応に振り回されるのが人という生き物の基本性質である、
そう割り切って今自分がするべきこと、したいことをきちんと見定め、
できることを積み重ねていく、行動していくことが何より大事だと思う。

避けるべきはやる気がないを理由にいつまでも停滞し、
時間や労力を無駄にしていくことだと思います。


では、今回はここまでです。
ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?