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『ヴァンパイア・ビジネス』にいつの間にか生産力を搾取されないために…

どうも、水川です。


今回は僕がヴァンパイア・ビジネスと呼んでいるビジネスと、
それらビジネスにいつの間にか自分(や自社)の生産力を、
大きく搾取されないために、というテーマでお話しします。



他人の生き血を吸い自らを潤し命を奪ったり、
時には相手を自らの眷属にしたりする。


そんな空想上の存在であるヴァンパイアですが、
それと同じような性質を持った形のビジネスが、
世の中には多く存在するのです。


自らの利益のために他人が生み出す価値を利用し、
疲弊させて(ビジネス的な意味で)命を奪ったり、
役に立つようなら眷属として利用したりする。


多くの人や企業はそんなビジネスに気づかぬうちに、
大きく搾取され疲弊していくことがあります。


今回はそんなヴァンパイア・ビジネスとは何か?
どうすれば搾取されずにすむのかなどについて、
詳しくお話ししようと思います。


ヴァンパイア・ビジネスとは


ではヴァンパイア・ビジネスとは何か?


他人の価値を生み出す力(生産力)だけを利用して、
顧客は自ら(自社)のために総取りしていくような、
性質、形態を持つビジネスのことです。


詳しくお話していく前にまずはあなたと、
ビジネス運営でもっとも重要なことについて、
認識を共有しておきたいと思います。


ビジネスでもっとも重要なのは、

・顧客の創造と維持(マーケティング)
・顧客が満足する価値を提供すること(生産力)

この2つであるというのが僕の考えです。


ビジネスにおいて売上、ひいては利益を生み出すのは、
生み出した価値に対してお金を支払ってくれる顧客。


ですから、顧客の創造はビジネスにおいて必須の活動であり、
また顧客であり続けてもらうために顧客が求める価値を提供する。


それがビジネスで成果を出し続けるために、
もっとも重要なことなのです。


ですが、このもっとも重要な活動の1つである、
顧客が求める価値を生み出す力、すなわち生産力を、
自分のビジネスの顧客創造に利用する性質。


あるいは形態であるビジネスが存在します。


ようは、他人や他社の生産力を利用するだけ利用して、
売上や利益をもたらす顧客を奪っていくのです。


これは自らの利益のために意図的にしている場合もあれば、
特に意図はしてないけど結果的にそうなってるものもあります。


どちらにせよ他人を利用し顧客を奪うという性質は変わらず、
多くの個人事業主や中小規模の企業なんかは、
知らないうちに顧客を奪われていたりするのです。


それが僕がヴァンパイア・ビジネスと呼ぶものです。


ヴァンパイア・ビジネスの具体例


ヴァンパイア・ビジネスの具体例をいくつか見てみましょう。


僕がこのことを話す時、もっともわかりやすい例としてあげるのが、
インターネット事業を数多く手がける楽天。


特に楽天のeコマース事業です。


楽天はネットショップを開業したい人に対して、
ショップ作成や決済サービスなどを総合提供しています。


物流網もアウトソーシングという形で提供していますね。


手数料を支払えば比較的簡単にネットショップを開けるので、
ネット上で物を売りたいという人が利用している。


これは、ネット上で物を売りたいけどそのために必要なもの、
知識やノウハウ、資金や時間などがないという人にとっては、
確かに価値となるものであり、だからこそ事業として成功しました。


ですが、楽天でネットショップを開いて物が買われたとしても、
それはそのショップの顧客になるわけではありません。


楽天の顧客になるのです。


仮に自身でネットショップを開業して物を売れば、
顧客のメールアドレスなどのいわゆる顧客リストを、
同時に得ることができる。


自分の事業の顧客になり様々な働きかけをすることができました。


ですが、楽天で買い物する人は楽天に登録した楽天の顧客なので、
自分ではどうすることもできません。


楽天から撤退してもそのまま楽天の顧客になるだけです。


つまり、楽天はネットショップを開設したい人の生産力を利用して、
自社の顧客を増やしているということになります。


そうして増やした顧客にメルマガとかを送ることで、
他の事業の売上を増やすような働きかけもしてるわけです。


他にもランサーズやクラウドワークスなどのいわゆる、
クラウドソーシングと呼ばれるタイプのビジネスもそう。


例えばランサーズで誰かにサービスを提供したとしても、
その誰かはランサーズの顧客であり自分の顧客にはならない。


ランサーズではランサーズ外でのやり取りや、
それを誘う行為そのものも禁止しています。


これはランサーズ外で変な営業や勧誘を受けるケースが有り、
それを予防するためというプラスな意味で作られた規約ですが、
結果的には顧客の囲い込みに一役買っているわけです。


他にもいろいろ形はありますが総じて他人の生産力を利用し、
自らの顧客を増やしているという点では同じです。


生産力はあるけどマーケティングが苦手な体質がヴァンパイアを呼び寄せる


ではなぜ、そんな顧客搾取が起こるのか?


生産力、価値を生み出す力はあるけど、
マーケティングは苦手という体質が、
ヴァンパイア・ビジネスを生み出す原因。


中にはマーケティングをめんどくさがるどうしようもない人もいます。


ですが大抵の、特に日本の事業者や企業はマーケティングが苦手、
あるいは忌避感が強く積極的に価値を示したりできない。


価値があるのに事業はうまくいかないというケースが多いのです。


だから、価値を生み出し提供すれば比較的に簡単に売上が得られるような、
楽天やクラウドソーシングなどのいわゆるプラットフォームなどを、
利用し依存してしまうことが多くなる傾向にあります。


その傾向がヴァンパイア・ビジネスを生み出し、
引き寄せて搾取がはじまる。


生産力を利用され他者(他社)のために顧客を生み出し続け、
生み出せなくなったらそれでさよなら。


長期に渡って生み出し続けられるような生産力を持ってる場合は、
生かさず殺さず眷属として利用され続けるのです。


加えて厄介なのがヴァンパイア・ビジネスは意思に関係なく、
そのような性質を持っているビジネス形態であるということ。


ヴァンパイアは他者の生き血を吸いますが、
それはそういう性質を持った生物であるため、
吸わないと生きられないといった特徴がある。


ヴァンパイア・ビジネスも同じで意思に関係なく事業のためには、
他者を搾取しなければならないという性質を持っています。


表向き言ってることやってることが良いものに見えても、
実際は搾取型の性質を持ってたりして見分けが難しい。


気づかぬうちに搾取され泥沼にはまってる、
みたいなことがおこったりするのです。


そして、泥沼にはまってしまえば抜け出すのもまた難しくなります。


例えば先ほどの例に上げた楽天ですが2020年1月に、
送料無料化サービスで一騒動ありました。
(参考記事:J-CASTニュース


楽天が3980円以上の買い物で送料無料というサービスを、
2020年3月から実施しようとしたのです。


2019年からサービスの構想はあり説明会などを開いていましたが、
送料分は出品者が負担ということになっていたため、
事業者から猛反発を受けました。


楽天ユニオンなる任意団体も設立され公正取引委員会も出張り、
すったもんだの末に送料無料化の一律実施は見送られ、
各事業者の意思に委ねるということで落ち着きました。


ですが、楽天としては競合アマゾンに対抗するためにも、
送料無料の一律化は実現したいでしょう。


これからも様々なサービスを導入するために、
出品事業者に負担となるような案が出てくるかもしれません。


それでも、反対の声は上げても楽天から離れようという人は、
特に楽天に売上を依存していればいる層ほど出てこないでしょう。


楽天から離れたら売上は一気に落ちますし、
売上をもたらしてくれる顧客もいないからです。


反対に楽天側からすれば多少事業者が離れても、
そこまで痛手にはなりません。


送料無料化の際は反発が大きすぎたために延期しましたが、
多少の反発程度なら押しとおすこともできるでしょう。


それで一定の事業者が離れたとしても、
事業者が集めてくれた顧客のリスト自体は残りますし、
ショップを開きたいという事業者も新たにあらわれるからです。


ヴァンパイアを突き放すにはマーケティング力が必要


ようは、顧客創造や維持を他者に依存してしまうと、
一方的に不利益を被ることが多くなるということ。


なので、自分自身できちんと顧客を生み出し維持する活動。


マーケティングに対してをきちんと資金や時間を投資し、
学び実践していくことが重要ということです。


特に高い生産力をすでに持っている人や企業であれば、
マーケティングできちんと顧客創造できれば、
安定して成果を出し続けるビジネスを構築できる。


別の誰かや企業の都合に振り回されることもなくなります。


マーケティングはできるできないではなく、やるかやらないか


とはいえ、そんなこと言っても自分(自社)ではできない、
そんな余裕はないと考えてしまう人もいるでしょう。


ですが、これは考え方がズレています。


マーケティングはできるからやる、できないからやらないではなく、
やって成長していくか、やらずに衰退していくかの2択です。


やらなければ売上を得られず衰退していくか
ヴァンパイア・ビジネスに搾取されるか。


どちらにしろビジネス的には終わりに向かっていきます。


きちんと成果を出し、ビジネスを成長させていきたいなら、
マーケティングを実施して顧客を生み出していくしかありません。


どれだけ資金、あるいは時間や労力がかかろうともです。


それで目先の状態がマイナスになったとしても、
顧客を創造できていて価値も提供できてるなら、
長期的に見れば必ずプラスに転じます。


顧客創造でヴァンパイア・ビジネスの搾取から身を守ろう


ビジネスは価値あるものが必ずしも認められるような、
当たり前に思えることが実現する世界ではありません。


価値があっても売り方が悪ければまったく広まらず、
成果も出ないということは普通におこります。


逆にそこまで価値がなくとも売り方だけで大きく広まったり、
今回お話ししてきたヴァンパイア・ビジネスが顧客だけを搾取し、
大きく発展していくというようなことがおこるのです。


あなたももし、価値を生み出しているのにうまくいかない。


そんな悩みがあるならマーケティングを学んで、
とにかく実践してみてください。


自分で顧客創造、維持ができるようになれば、
ビジネスがほんとに楽になります。


やり始めはきついこともあるかもしれませんが、
きっとそれに見合うだけの結果を出せますよ。



では、今回はここまでです。

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