物事にメリットとデメリットが必ず存在するのはなぜか

世の中には甘い誘惑が数多く存在する。

一見するとメリットしかないように偽装し言葉巧みに主張しながら、
何でも手に入るといった方向に誘導していく。

しかし大抵の場合、というか全てのケースにおいてデメリットは必ずある、
メリット、得られるものしかないという状況はありえない。

これを理解するにはそもそもメリットとデメリットの本質について、
まず詳しくお話しておく必要があるでしょう。

結論から言うならメリットとは自分に都合が良いエネルギー形態であり、
デメリットとは自分には都合が悪いエネルギー形態のことです。

エネルギーとは自分がより良い状態で活動していくために必要な、
あらゆる動力源となるものを指す。

それは食べ物など物質的なものから感情など精神的なものまで様々であり、
メリットとは他のエネルギーを活用して必要なエネルギー形態として、
変換し利用可能な状態にすることを言います。

エネルギー自体はこの世界に何らかの動きがある限り無限に存在する、
動くために必要なエネルギーとして形を変えながら、
あらゆる存在の間をめぐり続ける。

重要なのはこの存在、つまりエネルギーの器となるものは、
全てのエネルギーを活用できるわけではないことです。

ガソリン車に軽油を入れてもエンジンがうまく動かないのと同じように、
あらゆる存在は自らを動かすのに活用できるエネルギー形態に違いがある。

人間も物質的、精神的なエネルギー源として活用できるものは限られる、
あるエネルギーを得た時それが自身にとって活用できないものであれば、
変換に利用したエネルギーも合わせて大きなロスとなる。

これがつまりはデメリットということです。

メリットとはその逆で変換に利用したエネルギー以上に、
活用できる形態のエネルギーを得た状態を指します。

と言われてもイメージしづらいかもしれませんが例えば食べるということ、
人間に限りませんが生き物は食べることで体を動かすエネルギーを得る。

しかし食べたものをエネルギーに変換し不要物を排出する機能、
胃や腸が働くにもエネルギーが必要になりますよね。

そのためエネルギー量の少ない食べ物を大量に食べることになれば、
それによって得たエネルギーが処理するエネルギーに届かない。

食べることで逆にエネルギーが減るということがあり得るわけです。

で、このようなエネルギー変換が起こるためには必要なものが2つある。

変換される前のエネルギーと変換に利用するエネルギーですが、
重要なのは変換された後のエネルギー形態がどのようになるかは、
人間にとっては未来であり未知であるが故に定まらないということ。

未来予知できる人、あるいは世界のすべてを認識できる人でもいない限り、
変換された後のエネルギーが必ず自身が活用でき、
かつ利用したエネルギー量を上回るかはわからない。

加えて変換される前のエネルギーをどこから持ってくるにせよ、
それは場としての全体的なエネルギー量を増大させない限り、
ただのエネルギーの移動、悪い言い方をすれば搾取に過ぎない。

これは現在の日本の経済状況を考えるとわかりやすいかなと思う。

日本は30年以上の間、緊縮財政で全体を巡るお金の量を増やしてないので、
GDPというお金の移動の量のみで見ればほぼ横ばいで経済成長してない。

そんな状況で格差が拡大してきていると言われるように、
一部の人にお金が集中し他の人に巡らなくなっている。

お金をエネルギーと考えるなら日本全体のお金エネルギーは、
ここ30年一定でありながらその流れは一部の人に集中し続けた、
他の人間から搾取し続けてきたということです。

ようは自分の金銭的メリットは他人のデメリットによって支えられている、
それを是としてきたのがここ数十年の日本という国の実情でした。

そしてそれが抑圧や怒り、嫉妬や憎しみなどの感情を生む。

これらも動きを生むという点ではエネルギーなわけですが、
生み出す動きの性質は良いものとはならないでしょう。

社会を揺さぶるような行動に走ったり逆に社会に寄与する意欲が失われ、
全体的に衰退していく道を辿ってきたのもまた日本の実情。

この変換後のエネルギーの結果を予測するという不確定性と、
場としてのエネルギー総量を増大させない限り搾取となり、
後で必ず歪みや衰退が生まれるという問題。

この2つを解決しない限りメリットしかない状況はありえない、
そこには個人かより広い範囲かの違いはあれど。

必ずデメリットが存在するのです。

ただ、人間は認識力の限界からそれを把握することができないだけ。

その結果、自分以外を不幸のどん底におとしいれても自分だけは幸せ、
エネルギー的に満ちているという状況があり得るわけですね。

それは繰り返しになりますが他人からの搾取によって成り立つもので、
だけど物質的には余裕ある現代社会を築いたが故に搾取による歪みは、
自身ではなく次世代へのつけとなることがあり得るようになった。

と、話がそれてきたので戻しますがつまり個人的にはともかく、
全体的に見ればメリットのみという状況はあり得ない。

デメリットを後世に押し付けて自分だけが逃げ切れるかもわからない、
人間は意識を獲得し能動的にエネルギーを変換する術を得て、
試行錯誤を経て高速で変換し続け現代のような豊かな社会を築いた。

個人にしろ社会にしろエネルギー変換は能動的に前に進むのに必要不可欠、
ですが変換された前後の状態とそれによって生まれるもの。

人間にとっての損益を自分の認識内、認識外に関わらずできるだけ把握し、
できるのであれば全体的に増大させる、そうでなくてもうまく循環する。

そういう状態を目指さないといずれ目に見える形で大きな破錠が起こる、
このことはきちんと意識しておくことが大事だと思う。

繰り返しになりますがそれはもしかしたら現世においてではなく、
後世にまわるつけであるのかもしれませんが自分に関係ないから、
あらゆる歪みや衰退を許容しても良いのか否か。

そういったことも考えたうえでどのようにエネルギーを変換するか、
どのように行動していくかも大事ではないかというお話です。


では、今回はここまでです。
ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?