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#213 家具アップサイクル ~好き過ぎて自分でKeepしちゃったの巻~



今日はなんと三月の下書きに残っていた『仕上げたけれど売るのをやめた』二点について書きます。

ひとつめはこれ。

近所のチャリティーショップで埋もれていた椅子

これはもともとダイニングチェアのセットの一脚のはず。なのに一脚だけ、しかもこんなに目立つ色がしっかり塗られていました。『べっとり』と言いたくなるほどに‥‥
このミッドセンチュリーのデザインのひとつ、ちょっと細く間伸びしたような背もたれがなんだか好きなのです。
こりゃ大変な作業だぞと、頭ではアラームが鳴っているのに、連れて帰ってきてしまうという‥‥

庭に出して、サンドペーパーをかけ始めました。

手ごわい‥‥

青の下の白いプライマー(下地)コート。分厚いペイントをどうしたものか…

白の下にはこげ茶色の着色!


確か、この椅子に関してはペイントリムーバー (Paint remover) を使ったのだと思います。
ペイントリムーバーというのは油性のドロッとしたした液体なのですが、それを刷毛などで全体に塗布し、ペイントやニスなどが浮き上がってきたところでこそぎ取ります。
素人感まる出しですが、私はこの時初めてペイントリムーバーを使ったのでした。
そして「なんじゃこりゃあ~」と思いました。
とにかく油性でベトベト。ということは、ふき取ったものはベトベト、ゴム手袋をはめた手はベトベト‥‥
シュッとふき取って終わり、のつもりだった自分が悲しい。
こういう時のために、家族が要らなくなった木綿の服などを切って作業に使っていますが、この時は大きなバスタオルのようなものでも足りませんでした。そこいらじゅうがベッタリで、汚れた道具も水で洗えないので、地獄絵図みたいになりました(笑)

今では経験から学び、もっとスマートにペイントリムーバーは使えるようになりました。
焦げ付いた鍋を擦る硬くて目の粗いスポンジのようなものがありますよね。あれに揮発性の液体 (英語では White spirit) を染みこませてふき取って、捨てるだけです。

そんな格闘とさらなる電動サンダーの使用で、ここまできました。

ようやく木目がみえてきました


どの部分もそれぞれに手強いのですが、一番苦戦するのはこの部分↓

鉄格子みたいなのが座面に刺してある境目たち

この画面で白が覗いている接合部分のあたりです。形が複雑なのでサンドペーパーが使いにくいのです。座面部分のごげ茶着色を除きたいのですが、こすり切れるものではなかったのです。
いかに大変だったかは、残念ながら写真に残していませんでした。
私が「これ以上は無理」「終えた」と思った状態から、プロがもう一歩踏み込んでくれました。以前記事でご紹介した、フレンチポリッシュ職人のR氏です。彼が、プロ用のペイントリムーバーとプロの技術できれいに仕上げてくれました。
ところが私、接客中だったので、ちゃんとこの工程を見ていませんでした。細かい部分に使うブラシでもあったのでしょうか‥‥

その細かい部分の違い、ビフォー&アフターをお見せしたかった!

とにかく出来上がったものはこれです。


好き好き、大好き!

義母から譲り受けたデンマーク製のミッドセンチュリー机に使おうと決めました。この際、ダイニングチェアーだったことなんて関係ない。
脚の部分だけステイン (着色) したのは机の色に合わせたからです。

代わりに、それまで机用に使っていた椅子をきれいにし直して、お店に置いてもらったらすぐに売れました。トレードしちゃった感じ‥‥

これです!


結果、収入と好きな椅子が手元に残ってホクホクなコノエミズです。


次に私が惚れこんでしまったというのは、木枠でガラスのコーヒーテーブルです。
オンラインのマーケットプレイスで見つけた時の画像はこんなでした。
きっと持ち主さんはこのデザインの美しさに気づいていなかったのだと思います。滲みや痛みも所々にみられ、「取りに来てくれればありがたい」という、そんな値段でした。


大事に使われていなかった感


これを、サンディングしてリンシードオイルで磨き上げました。
するとみるみる浮かび上がる美しい色合い‥‥

これぞ、ザ・ミッドセンチュリー!
どうですか、この美しさ!

近くで見ても、

文句なしに美しい


このテーブルも『自分で使う認定』!
本来ならこれを置くべきリビングルームが、私の『家具置き場化』されている我が家で、これをKeepしてもよいはずはない、と‥‥
わかっていても、いつかの日のためにまだ抵抗しております。


家具と向き合っていて、最近思っていることがあります。

誰にでも好き嫌いというものがあり、好きじゃないものは大切にされない傾向があります。
つまりそのモノの持つ価値に気づくか気づかないかという違いがあって、視点が違っただけで結果が大きく変わるということです。

私が一目で、そのポテンシャル (潜在的に持つもの・将来の可能性) を認めたものは、手にした瞬間から可能性しか見えていません。ですから、最初はくすんでいたようなものがどんどん輝きを放ち出すのです。

このように『信じて、輝かす』という点では子育てとか人材育成と似ているのではないか‥‥ということです。

次回の投稿では、そんなことを強く感じさせてくれた家具二点をご紹介したいと思います。









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