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建築家で家をたてるということ

建築家で家をたてるデメリット

なんでメリットをかかないの?とおもうけど、先にハウスメーカーで注文住宅を建てる視点デメリットを書きます。

・建築費用がすごく高い。
・設計にすごく時間がかかる。
・竣工までにすごく時間がかかる。
・出来た家はいい意味でどんがらである。
・断熱とか高気密とかなく、長期優良住宅地等の制度が使えない。

正直これをうわまわるメリットはたった一つ。自分の大好きな建築家の作品に住める。これしかありません。

建築家に頼みたい!

家をたてるということが実はよくわかってなかった私は、10年ぐらい前に六本木の蔦屋書店で打ちあわせの間に買っていた建築家さんの作例をみて「家をたてるときはお願いしたい」とおもっていました。

何人も好きな建築家さんはいますが、その中でもとても一番好きな建築家さんのウェブサイトを以前からチェックしており、普通に個人住宅の依頼はうけてもらえるとのことで、土地をみつけて意気揚々をアポをとりました。

打ちあわせは最初に2回だけ。そうすると現地調査を含めてたプレゼン費用として数十万円を支払ってあとはまつだけになります。そのプレゼンをみて今後進めるかどうか決めるという方針でした。

建築費用について

「日本は建築家の設計費用が安い(総工費の10%程度)ので、建築家に頼んだほうがいい」というのを覚えていたので、そんなものかな??とおもっていました。とはいえ、建物の坪単価でいえば150万円〜になります。はい、注文住宅がローコストが50万円、高くても100万円程度と知りませんでした。それに比べれば高いですが、それに対して設計費用が10%〜20%さらにかかります。つまり40坪の家をたてると設計費用は以下のようになります。

(150万円 × 40坪) × 0.15 = 900万円

900万円もさらにかかるということになります。はい、すごく高いです。

設計までの時間

設計完了まで半年かかるといわれました。つまり土地から購入する場合、土地の審査のために、建物の設計が必要なのですが、そのプランがきまるまでにすごく時間がかかるということです。正直申込して着手金払ってあっても、審査が完了しないので、土地の売主さんから多分怒られます。いや、怒られました。なので普通に土地を購入して、そこに家をたてようとすると審査で失敗することになります。とても問題です。

竣工までの時間

竣工まで1年半程度かかるというのがプレゼンのときに分かりました。たとえばフラット35のアルヒとかの場合「土地のつなぎ融資から1年以上かかる場合には、仮登記をいれないといけなくなる」とのことで、結構揉めそうなポイントでした。正直いまの家の家賃を払いながら、つなぎ融資の利子(かなり高い)も払うことになりそうなので、泣きそうです。

出来た家はいい意味でどんがらである

ハウスメーカーの場合は、外構工事を除けばすぐに住めるようになっている場合が多いです。建築家の方のプレゼンをうけると、基本的に出来た家はどんがらで、10年ぐらいかけて自分が作り込んでいく感じでした。たとえば、エアコンですが、東京都ゼロエミ住宅とかかすりすらしません(笑)提案をもらったエアコンは「地下鉄にあるみたいな業務用エアコン一基を動力引いておけば十分冷えるとおもいます!」といわれました。えっと、そうだよね。でも「ズゴオオオオオオオオ」という音が家中にエアコンをつけると響き渡るわけなんです。それが許せるかだよね……。

あといまだに面白いなーとおもってるのが「洗濯物はどこに干すんですか?」と質問をしたら「私は階段の手すりにかけてるのでそこだとすぐに乾きますよ!」といわれてちょっと面白くなってきました。

断熱とか高気密とか基本的に考えてない

正直断熱とか高気密のことはよく知りませんでした。仲介してくれた不動産屋さんが「一条工務店が高気密で〜」とかいってたけど正直あんまり興味がありませんでした。だって、建築家の家にすむってことは「そんなものはない」とおもっていたので(笑)でも、フラット35Sとか、長期優良をとろうとおもうと「どんなにデザインと構造がすぐれていたとしても、制度面では不利」ということになります。ちなみに構造は軽量鉄骨でした。

建築家の作品に住むということ

プレゼンを受けてからしばらく考えましたが、コロナ禍もあり一度見送ることにしました。土地の契約もうまくその間引き延ばせていたので、丁重にお断りをいれて、もう一度注文住宅について雑誌などをかってきて調べることにしました。

やっぱり建築家の家はおしゃれだし、かっこいいのですがあくまでも「作品」なのです。作品に住むと言うことは、自分がどんなに住みにくくても作品に住んでるということを受け入れてそれを楽しめるかということです。正直信じられないぐらい払って、不便な家に住むということがあり得るわけです。

有名な建築家の安藤忠雄先生の設計された「住吉の長屋」という家があります。

ささやかなスケールの箱をさらに3等分し、真ん中に生活動線を断ち切る中庭を配置したことで、2階寝室からトイレに行くために手摺の無い階段を雨の日には傘をさして下りなければならない。

http://www.hetgallery.com/row-house_sumiyoshi.html

この住人の方は不便でももうリフォームする気がないというインタビューを見て、そういう生き方自体が必要なんだなとおもいました。

同じように、塔の家もみるとそんなかんじしますね(笑)

メリットは?

人生を変えるような家に住めるのがメリットです。それ以外ありません(笑)上記述べたようなデメリットを越えられるなら自分の好きな建築家を見つけて設計してもらうといいとおもいます。

わたしは残念ながら受け入れられずに泣く泣く諦めることにしました……。でも次回建てるときがあったら今度こそは!!とおもっています。

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