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宮崎在住者が薦める宮崎市の美味しい店

今年はWBC開催のため強化合宿が宮崎市であるので、県外から多くの方が宮崎に来ている。
2月はもともとプロ野球、Jリーグをはじめプロアマ問わずたくさんのスポーツ合宿が宮崎であり、3月は女子のゴルフトーナメント、アクサレディースも開催と、県外客の多い時期。

宮崎はよいところ

実は、全国から見ると、宮崎はあまり知られていない場所で、隣の鹿児島に比べると認知度が低いと言われている。
しかし、一度来た方は宮崎の良さを高く評価されているという調査結果もあったくらいで、宮崎には魅力がいっぱいあると思っている。
海、山、川そしてゴルフ、サーフィンと楽しめる場所がたくさん。そしてなにより食が良いと評判。
牛、豚、鶏、野菜、果実、茶、近海魚、焼酎、米、水とおいしい食材素材がそろっていて、それらを活かしているだけでなく接客もよい、私の大好きな店を紹介したい。ガイドブックには、実は私たち地元の人間は行かないところが紹介されていて、この時期には県外客が列をなしている。そういう店は昔は行っていたかもしれないが、その時代にガイドブックに紹介されそのまま継続して掲載されているので、ガイドブック見た方がそこに集中するのは当然だろう。(けっしてその店を否定するわけではない)

ニシタチ

宮崎市の中心市街地の繁華街を通称ニシタチと呼んでいる。中心部を通る片側3車線の道路を橘通と呼び、その西側にあるので西橘(ニシタチバナ)、略してニシタチなのだろう。
ここにたくさんの飲食店があり、食事するところ、スナック、キャバクラ、バーとあらゆる業態が密集しているのがニシタチ。

食事処について

私は居酒屋が大好きだ。いろいろなものが食べられて飲めるからだと思う。昔、韓国の友人が来た時に、居酒屋はすばらしいと言っていた。韓国はサムギョプサルの店とかケジャンの店とか単品主体の店が多いとか。いろいろなものが食べられると喜んでいた。(現在は韓国にも居酒屋的なものも増えている)

食材も豊富

宮崎牛

牛肉は全国和牛能力共進会という牛肉のオリンピックで総理大臣賞を獲得するほど実力のあるもの。特に肉質以外に含まれる脂肪を評価する7区という分野において総理大臣賞を取るという実力ナンバーワンの宮崎牛。
もともと、子牛の県外への出荷額は日本一で、松阪牛など違う産地で違う名前で世に出ている。
あまり知られていないが、米国へ輸出される和牛のうち3割が宮崎県産ということ。2018年第90回アカデミー賞のアフターパーティで宮崎牛が使われて以来、昨年まで連続で使われている。ウルフギャング・パック氏が気に入っているとのこと。

と言いながら、私は牛肉をあまり食べない。高いということもあるが、胆のうの持病もあり、霜降りが苦手。
とはいえ、宮崎にはおいしく宮崎牛を食べさせる店が多くある。ミヤチクというJAの食肉加工会社が経営するレストランもあるし、普通の店でも宮崎牛とメニューに出しているところも多い。
予約時に宮崎牛があるかを確認するとよいと思う。
ちなみに宮崎牛はJA経済連が認定するブランドで、独自に高千穂牛、尾崎牛や有田牛など地名や農家の名前で名づけられたものもある。

豚肉

豚肉もおいしい。養豚農家も多く、独自の餌や育成法を採用しているところもたくさんある。きなこを食べさせたきなこ豚、さつまいもを食べさせたおいも豚などがある。私は豚肉は大好きで、特に脂身がうまいと思っている。
しゃぶしゃぶ、とんかつもうまい店が多い。トンテキという料理があるが、宮崎市内にトンテキをメインとする外山食堂という店は味が年々進化していて素晴らしい。
韓国料理も数店あるが、サムギョプサルで食べるには宮崎の豚はとてもおいしい。

鶏肉

地鶏が有名だが、ブロイラーも美味しい。ブロイラーとは50日程度で出荷する若鶏で身が柔らかい鶏肉。照り焼き、唐揚げ、チキン南蛮と料理の種類も多い。部位ごとに上手に調理する店もある。チキン南蛮はオリジナルは胸身を使うが、もも身の南蛮はさらにおいしい。
地鶏がブームになって久しいが、地鶏はブランドものでそこそこ値段も高いが、地元ではもともと種鶏というものを食べている。種鶏はブロイラーの親鳥で450日ほど育ったもの。肉質は固くなっており、それを炭火焼きにして出す店もある。個人的にはこの種鶏が好きで、行きつけの店で焼く前の鶏肉を見ると、とてもきれいな肉色で、食欲をそそる。
宮崎ではもも焼きと言って、鶏ももを骨付きで焼き、黒コショウをまぶしたものが昔からあった。父親が飲んだ後の手土産に買って帰ることもあった。子供にはおいしいとは思えるようなものではなかったが、今は焼酎と合う料理と思う。
最近は骨付きで出すところは少なく、もも身のぶつ切りを焼いている。鶏は脂が多く出るので、調理場で炎が立ち上ることもあり、それを演出している店もあるくらいだ。鶏油をかけてあえて焦がす場合もあるが、肉でなく炭火にかけて炎上させる。まあ、食事の楽しみのひとつではある。

宮崎、鹿児島では鶏肉を生で食べる習慣がある。刺身で食する。新鮮であるのはもちろんだが、生産環境もしっかりしていないと問題である。韓国の友人は鶏肉を生で食べることに驚いていた。韓国では生卵も食べない。衛生管理、味の違いとのこと。
鶏肉の刺身はもも、むね、ささみを使い、レバーや砂肝を出すところもある。
同じく宮崎、鹿児島では鶏のたたきというのがあり、表面をあぶって刺身のように食べる。私は鳥刺しよりたたきの方が好きで、強火であぶった表ぱりぱり中生がいい。ポン酢で出すところが多いが、魚と同じく、ワサビと醤油で食されることをおすすめする。

魚は日向灘の近海ものが出される。マグロ系でもシビやヨコワは宮崎どれがあり、冷凍されていないのでうまい。魚がうまくて有名な地域があり、宮崎はさほど言われないが、刺身はぜひたべてもらいたい。
アジフライ、天ぷら、煮つけなど店にもよおるがおいしい料理を出すところも多い。
季節もあるが、イセエビもおすすめ。9月から翌年3月までが解禁期間。東京都下に比べれば相当安く新鮮なものが食べられる。宮崎では刺身が多い。ほかにもパッチンエビと言われるうちわエビがあり、小柄だが刺身については私はイセエビよりおいしいと思う。
メヒカリという魚がいる。深海魚で大きな青い目が特徴。身が柔らかく、唐揚げ等にすると最高。このメヒカリ、実は福島県いわき市の魚に指定されている。私もいわき市内で大きなメヒカリの看板を見たことがある。メヒカリは東北から鹿児島まで採れるそうだが、よく食べるのはいわき市と宮崎県延岡市で、現在は宮崎県内で広く食べられるようになった。
いわき市と延岡市は姉妹都市となっており、東日本震災の時にも延岡から職員を派遣して支援をしていた。江戸時代にいわきの内藤家が延岡に入り、幕末まで治めたのが縁である。メヒカリもこの縁が影響しているとのこと。

野菜

宮崎の野菜もうまい。生産量も全国上位を占めるものが多く、ピーマン、きゅうり、ゴーヤは全国1位。意外なのはズッキーニ が2位。他にも、さといも、らっきょう、えのきたけ、シソも2位。
さといもは京都など関西で人気。同じく関西で人気なのはかぼちゃ。皮が黒くごつごつした感じの黒皮かぼちゃ、日向かぼちゃは小柄ながら味がおいしく、荷崩れしないということで料亭で使われている。
ちなみに宮崎には「いもがらぼくと」と「日向かぼちゃ」という言葉がある。「いもがらぼくと」とは宮崎の男性を表している言葉。いもがらとはサトイモの茎で、長さ1m弱の立派なものがある。ぼくとは木刀で立派な木刀のように見えるが中は空洞ですかすか(中身がない)。見た目は立派だが、柔らかく、刀にはならないという、宮崎の男性を表現。お人よしという意味も込められている。日向かぼちゃはさきほどの黒皮でごつごつした外見。色黒で見た目もよくないが、中身はおいしく、しっかりしているということらしい。
歌があり、「貰うた貰たよ いもがらぼくと 日向かぼちゃの よか嫁女
じゃがじゃがまこち えれこっちゃ」という歌詞がある。

佐土原ナスというなすがある。大き目の実で色は少し薄めである。この佐土原ナスは一江戸時代から栽培されていた地元野菜で、栽培が難しいこと、見た目がよくない(ナスらしくない色)で栽培されなくなったのが、農業試験場の倉庫で4粒の種が見つかり、地元で研究会ができ復活させた奇跡的なナス。皮も実も柔らかく、皮をむかずにそのまま焼いてもよい。揚げたり、焼いたりいろいろな料理に向く。この佐土原ナスは年中採れるようになったので、宮崎ではぜひ食してもらいたい。毎年宮崎にゴルフに来る北海道の友人たちがはまっているので、時々送っている。

果実

果実はマンゴーが有名になったが、柑橘が生産量も多く、最近では金柑が人気。宮崎の金柑は皮ごと食べるものがあり、中でも大きさと糖度が高いものは「たまたま」というブランド名になっている。日向夏みかんは冬に取れるみかんで皮をりんごのように剥いて実と皮の間にある白い部分を実と一緒に食べる。この白いところがほんのり甘い。
マンゴーは確かにうまい。地元ではB品も手に入るので、安く食べられる。直売所や野菜専門店などがあり、そこで入手するとよい。

焼酎

宮崎は焼酎の県だ。焼酎蔵は大小合わせて38ある。鹿児島は100社以上あるので、鹿児島のほうが焼酎の県とも言えるが、焼酎のバリエーションは宮崎の方が豊富だ。芋、麦に加え、そば、米、栗といろいろあり、ピーマンというのもある。また出荷額では霧島酒造が全国一を誇っている。
焼酎には甲と乙の種別があるが、最近は乙を本格焼酎と呼んでいる。甲は酎ハイ等に使うシンプルなもので、乙は材料の香り的なものが残っている。
甲種の焼酎はレモンや梅干を入れて飲むケースが多いが、乙種は素材の味わいを楽しむため、レモン等は入れない。

最近の傾向として本格焼酎も少しマイルドになってきた。麹が変わったり、減圧蒸留があったりとマイルドない、臭くない焼酎が出てきた。私は昔の味が残っているのが好きで、それを好んで飲んでいる。なかでも明月がうまい。ついでながら宮崎の焼酎は20度が多く、鹿児島は25度がほとんど。最近は25度を好んでいるので、明月の25度を飲んでいる。





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