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タケノコを考える

タケノコを調べる

取引先の会社から、タケノコの販売に関して、相談を受けた。
そこで、タケノコについてあらためて調べてみた。

タケノコは筍、たけのこ、竹の子と表記される。
意味は文字通り竹の子供ということだろう。
漢字の筍の由来だが、竹の子が一旬(10日間)で竹になることから来ているという。竹と旬の組み合わせということになる。

この筍、アジアでは広く食材として利用されている。日本ではおせちをはじめ、いろいろな料理に使われているが、旬は種類にもよるが、だいたい3月から5月、春のものだ。
旬のものをその季節の真っ先に食するのが粋とされている。日本、中国の古文にはそれを記しているものもある。

たけのこは10日間で竹になると言われるが、その成長の速さ、まっすぐに伸びる様から出世運がアップする縁起物ともされている。そこから出世運、良い仕事、人間関係、子宝などに結び付けられている食材だ。

古事記などエピソードがいっぱい

イザナギが黄泉の国から逃げようとしたときに黄泉の国の鬼神たちに追いかけられ、竹櫛を投げ捨てるとそこにタケノコが生えてきて、鬼神たちがそれを食べている間にうまく逃げたとう話がある。

筍はその親しみやすさもあるのか、こういう使われ方もしている。
「たけのこ生活」、これはタケノコの皮を1枚1枚剥くように家財等を売りながら生活費に充てるというもの。また「筍医者」はタケノコは竹やぶに至っていない、つまりやぶ医者より劣るという意味合い。

良寛和尚もエピソードを残していて、竹の子が雪隠(トイレ)に生え、屋根につかえるようになったため、屋根を焼いたら、雪隠すべてが焼けてしまったとか、庵の床下の筍のために床板をはずしてあげたら竹が屋根を突き破ったが、気にせず生活をしていたという話がある。

中国の三国時代の呉の政治家、孟宗、母親が病に伏し、真冬に竹の子が食べたいと言う。孟宗は雪の中を探し回るが、当然見つからない。ところがある場所の雪が融けてたけのこを見つけるというもの。

タケノコの急成長

筍はなぜそんなに急成長するのか。
成長促進物質であるホルモン、ジベレリン、カイネチンが含まれている。またチロシンという成長促進成分が含まれており、それがリグニンという物質となり細胞を丈夫にするという。

筍自体の栄養はというと、特に中高年には必要なものが多く含まれている。
たんぱく質(グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸)
食物繊維 (不溶性食物繊維のセルロースを多く含む)
カリウム(血圧の調整に働きかけ、高血圧の予防に効果、塩分を体内から外へ排泄する働きもある)

筍は魅力的な食材だ。今回の相談もけっこう面白い企画になりそうだ。この冬休みに構想してみたい。

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