温もり

さて、今日もやって来ました詩の時間。風呂場で考えてました。

温もりが欲しい
幹の沈黙と葉のささやき
太陽と雲のかくれんぼ
顔に吹き付ける風
気まぐれ天気雨

温もりが欲しい
風呂場でつくため息
切らしたシャンプー
髪の毛は旅に出て
排水口で捕まる

温もりが欲しい
ナツメ灯の暖色に
出番の早い湯たんぽさん
やはりスマホもお供するのか
私は古墳で眠る王のよう
何かとアクセサリーが多い

寂しくなんかない
温もりはいつもそばにあるから

心鏡の湖

***

解説が長ったらしかったためにまとめます。

・温もりは今で言うところの「エモい」
・エモい(エモーション)は感情や感動(心理学でいう情動)を意味し、悪いと思ったこともエモーションである。
(雨に降られて寒くても、心にとっては温もりである。自分がエモいと思えばそれは温もりだ)
温もり=エモい
エモい=詩
詩=温もり
・温もりが欲しいと思っても、実は気付かないだけで無数にある。
・気まぐれ天気雨。「気まぐれな天気雨」とは書かずに、文章を連結しているのは、急で不安定な雰囲気を持たせるため。
・湯たんぽは持っていない。冷えた布団もまたエモい。
・「湯たんぽさん」と、さん付けなのは、リズムと温もりの調整のため。「ナツメ灯の暖色に、出番の早い湯たんぽ」であっても、次に「やはり」があるため、どちらにせよリズム感が大きく崩れない。それと、さん付けのほうが親密感があって、使い馴らしている、お気に入りがあるといった愛着の意味から、温もりはさらに強まると判断したのだろう。可愛いじゃん? エモいじゃん?
・切らしたのはシャンプーではなくコンディショナー。シャンプーと書いたほうが分かりやすいため。

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