エピソード3|文士として咲き文学に散る
小説を新人賞に出せた。人生で三作目、自身としては一番多い原稿用紙の枚数だった。良い作品が書けたと思う、それは面白いだとか、文章が上手いだとかそう云う単純なことではなくて、小説としての純粋な質の話だ。クオリティーが高いだとか、そう云うことでもなくて、良い話、誰かの人生に介入して糧となるような良い話が書けたと思う。誰かにとっての応援歌になるような、誰かにとっての慰めや救いになるような、慈悲深い、思慮深い作品が書けたと思う。それが僕にとってはとても幸福なことで、人生で一番好きな小