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旅、思い立ったが吉日。〜出発編〜



先日、思い立って長野の上高地へ旅に出た。
目的はハイキング。
そして、上高地を流れる美しい梓川の麓でのキャンプ。
45リットルのバックパックに、テントやら食料やら着替えやら
入るだけの荷物を詰め込んで
私は、梅雨入り直前の信州地方へと出発した。

ここから旅のスタート。
ミレーのサースフェー40+5。
この時にはもう、左首が痛かった


身長は平均よりもある方だが、なんともひ弱な私の筋骨は
出発早々悲鳴をあげた。
旅のスタート地点である駅で、左首筋に寝違えたような痛みが走り
首が回せなくなった。
たしかに朝まではなんともなかったはずなのに。
急に重量オーバーな荷物を抱えたせいなのか。
旅はこれから始まるというのに、私の体、なんとか耐えてくれよ・・・
と自分自身の力不足に呆れつつも、
「きっと大丈夫、イケる。」
と自分を鼓舞し、喝を入れ、気を引き締める。
でもやっぱり内心不安は鳴り止まず
本当にこんなんで無事に上高地まで辿り着けるのだろうか・・・
と泣き言を喚きたくなりながら
一人なので不安や弱っている心情など顔に出すものかと
余裕の表情を取り繕って電車に乗った。

一日目は上高地の一歩手前、長野は松本までの移動の日。
東北のとある町から特急電車で新潟へ。
そこから高速バスに乗って長野へ行き、さらに普通電車に乗り込んでいざ松本。
時間をかけてじわじわと日本列島を南下している感じが、
旅の序章とでもいうような胸の高揚感を掻き立ててくれた。
出発時に壊れかけた私の左首はまだ痛いままだったけど、
そんなことどうだってよくなるくらい、私の胸は始まったばかりの冒険にときめきを隠せずにいた。

高速バスの途中、休憩で立ち寄ったSAにて。


一日目の夜七時頃、長野駅へ到着。
腹を空かせた私は、重いザックを背負って長野駅を彷徨う。
こんな時はせっかくだから、ご当地グルメでも食べたい。
駅ビルの上にあるレストラン街で見つけた
『ソースかつ丼 明治亭』の文字。
げんでも担ぐか、ということでいざ入店。
腹ペコだった私は、ご飯普通盛りの「ロース ソースかつ丼」を注文。
注文してから、やっぱりご飯小盛りにすれば良かったと少し後悔。
そして、目の前にやってきた丼を見て後悔が助長された。
山盛りの千切りキャベツの上にどっしりと腰を据えたロースカツ。
極端に少食ということもないけれど、そんなにたくさんも食べれない私の胃袋。
でもまぁ、お腹ペコペコだしこれくらいペロリと平らげてやるぜい
と、あまりにも美味しそうなビジュアルのかつ丼を目の前に気合い十分の私。
なんでも、ここ明治亭のソースは地元で作られているこだわりの逸品らしく
たしかにさっぱりとしていて、これだけボリューミーでも飽きのこない味わいだった。
しかしながら、3分の2ほど食べ進めたあたりで私の胃袋はほぼハイオク満タンレベルに満たされた。
残り2切れのロースカツと、ご飯と、千切りキャベツ。
私は、好きで一人旅しかしないけど
ご飯の時だけいつも思うことがある。
私よりもいっぱいご飯を食べれる人が今目の前にいてくれたらいいのにな、と。
もちろん、自分で食べられる量を責任を持って注文するし
どれだけお腹がいっぱいでも私は基本、出されたものは全部平らげる主義だ。
ただ、旅先では見慣れない美味しそうな食べ物がわんさかとあるし
日本ならまだしも、海外のレストランに入るとメニューを見ただけでは量が計り知れないから
「これ食べたいけど、食べきれなかったらどうしよう・・・」
という不安がつきものなのだ。
人に頼らず、自分の胃袋だけで解決できるような巨大で丈夫な胃腸があればどれだけ良いだろうと思う。
と、余談はこの辺りにして。

すでに私の満腹中枢は
「これ以上の食べ物を必要としませんよ」
というサインを送ってきているのであるが
これはもう勢いで流し込むしかないな、と決意を固め
何とかかんとか、丼に乗った残りの者たちも無事に私の胃袋へと流れ込み
私の血となり肉となった。
そして、ついにやったぞ!というような謎の誇らしげな気持ちと、もう何も食べれませんという苦しいお腹を抱えて店を出て、
松本行きの電車へと乗り込んだ。



長野駅。とても立派で綺麗な建物


長野駅 明治亭
ロース ソースかつ丼(ご飯普通盛り)
カツの下に、大量のキャベツが隠れている





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