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一歩

私の通っている病院にデイケアがあります。
診察に行くと、待合室にデイケア通信なるものが貼ってあって気になっていました。

家に引きこもってばかりいたらダメになると思っていて、けれどもそんなにお金をかけずに行ける場所が無かったからです。

診察の際に医師に聞いてみると、すぐに見学させてもらえました。
見学、通所とトントン拍子に事が運び、今はほぼ毎日、ショートケアで通っています。



良かったことは、なんと言っても行く場所ができたことです。

朝起きて、ゲームやYouTubeで1日が終わるような日々に終止符が打てました。

ゲームやYouTubeで1日が終わる、なんて書くと怠惰で優雅な印象を受けるかもしれませんが、心の中は絶えず自分を責めているので苦しいことこの上ないのです。

もう飽きてしまったコンテンツを中毒のように繰り返し消費するのは苦行でしかありませんでした。
けれも、自分1人で他に何をすればいいのか、検討もつかなかったのです。

図書館に行くとか、人と会うとか、買い物をするとか、映画を見るとか、ジムに通うとか、習い事をするとか、バイトをするとか、料理をするとか、植物を育てるとか、楽器を弾くとか、、、色々あるじゃないと思うじゃないですか。

でも、そういうのって多分、これから先も生きていくことを前提にした考え方なんでしょうね。
1ヶ月先も自分が生きていかなければならない。
そう考えるだけで絶望を感じていました。

だから、図書館に行って本を借りたら返却期限があることとか、人に会うために数日後の約束をするというのがすごく苦痛でした。
1人で、その場だけで完結できるものなんて世の中にはそんなに多くないのかもしれません。

とにかく、今日、今のこの時間を消費することを考えるので精一杯だったのです。
「今日は生きよう」
なんとかそう思って命を繋いている毎日を繰り返していました。


デイケアはそういう私を受け入れてくれる場所でした。

来れる時に来ればいい。
休む時は連絡しなくていい。
突然、やめてもいい。
でも、行ったら1人の患者として受け入れてもらえる。

自立支援という制度のおかげで、何回通っても月の上限は1万円。
栄養バランスの良い食事も摂れる。

自然と規則正しい生活になり、自立神経も整ってきたみたいです。


昨日、お祭りに行きました。
その時、「来年も来たいな」と思い、そう思った自分に驚きました。

あ、来年も生きていることを前提に、そう考えたんだよねって。

大袈裟だけれど、未来とか希望とか、そういうものを持てたんだねって。

だからきっと、
一歩進めているのだと、

自分を褒めてあげようと思います。

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