水いらず

水いらずは日本のインディーロックバンド。 東京で活動中。 音楽に限らず、映画や哲学など…

水いらず

水いらずは日本のインディーロックバンド。 東京で活動中。 音楽に限らず、映画や哲学などあるゆる方面から楽曲にアプローチをかけ、唯一無二のサウンドを繰り出す。 好きな食べ物はポテトサラダ。

最近の記事

I氏の告解

 電車に乗る。周りを見る。見たところ、知り合いはいない。コートのポケットの中の拳銃に触れてみる。冷たく、固い。感触を味わいながらそっと目を閉じる。混然とした交差点。晴れた空。私は15cmほど右足を引き、真っ直ぐ拳銃を構え、右往左往する目蓋の裏側のイメージを一つずつ着実に撲滅していく。撃ち殺したとて、内臓や血しぶきは出てこない。悲鳴もない。それは、当然イメージだからである。  悪いとは何か。なににせよ、「自分たちは悪くない」というもの言いは醜悪だろう。少しばかり察しが悪いけれ

    • 楽曲制作における妖怪批評の可能性 - “妖怪は論理的じゃないから撲滅すべき”か?

      東京を中心に活動するバンド“水いらず”が、昨年配信リリースしたシングルで、“内臓の身体性”をテーマに掲げ制作した「su-mu」(2022年10月12日には曽我部恵一によるリミックスも収録した7インチ・シングルも販売開始)から約1年ぶりとなる新曲、「bakeru」を10月22日にリリースした。 以下は“妖怪”や“インセル”などをテーマに、丸一年かけてじっくり制作された同曲についての井上真(水いらずvocal&guitar)による解説。 聞き手は「su-mu」、「bakeru」で

      • 日本民謡と内臓の身体性について

        西洋のマーケットとは別のところでやりたいなと思った。 ●新曲「su-mu」は、“日本の民謡”が曲作りにおけるキーワードになったとのことですが、昨年リリースした1stアルバム『ほとんど、空』の頃からそういった関心はあったんですか? 井上:前作は、内省的なものを作りたいと思っていて、中2病的な“自分とはなにか”みたいなテーマがあったんだよね。でも、そういうテーマは“もういいかな”ってなっていたときに、筒井康隆の『残像に口紅を』という本に出てくる“内在律”というワードを思い出

      I氏の告解