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自己肯定感を高めるには自分を肯定してはいけない

自己肯定感の低さに悩む人は多い。その結果、「ありのままの自分を肯定できるようになる」ことを目指すが、自分を肯定するという感覚にどうも違和感がある。

僕は自分で言うのもなんだが、自己肯定感はある方だと思う。少なくとも「どうせ自分なんて・・・」とネガティブになったことはない。だが、「僕はできるやつだ」と自分を肯定的にとらえたこともない。自信は全然ない。できないことはできないし、できないことをポジティブにとらえようともしない。

「自己肯定感」の反対語を作るなら「自己否定感」だろうか。僕は自己肯定も自己否定もしない。ただ平坦に、フラットに自分を理解しようと意識している。そこに肯定も否定もない。

自分自身をフラットに見るとはどういうことか。ゲームでいうレベルや相性を把握することに近い。例えば、レベル1の勇者がレベル80の魔王に負けて「俺はなんてダメなやつなんだ・・・」と落ち込んでいたら、「いやいや、レベル上げればいいだろ」と思うだろう。炎タイプのポケモンが水タイプのポケモンに負けて「俺はなんて弱いんだ・・・」と言っていたら、こちらも「そもそも相性が悪いから」と言いたくなる。

逆に「魔王に負けたけど俺はダメなやつなんかじゃない!俺はレベル100だ!俺は自分を信じている!」とかレベル1のまま言っていたらどうだろう。それは自己肯定感が高いのか?なんか違わないだろうか。それは自己肯定感が高いというより自分が見えていない人だ。

しかし、自己肯定感が低い人の中にはこうなろうと頑張っている人が多く見受けられる。そうやって虚勢でポジティブに振る舞っても、レベル1という実態は変わらない。何度も現実を突きつけられるうちに自己肯定感(と思っているもの)を失ってしまう。根本的な解決に至っていない。

自己肯定感の低さの原因は概ね「レベル不足」「相性の悪さ」に収束すると考えている。もちろん現実ではレベルや相性は目に見えないし単純ではない。だからこそ、自分のレベルや相性を自覚する必要がある。

魔王に勝てなかったときに悲観するのでもなく、かといって楽観するのでもなく、「自分のレベルが低かったのかな、それとも相性が悪かった?」と考える。そして「自分はレベル10くらいだろう」と当たりをつける。そのあとレベル9のモンスターに負けたら「あれ?レベル5くらいだったかな?」とさらに仮説を立てればよい。何度もやっているうちに精度が上がっていく。

「俺はこんなにレベルが低いなんて・・・」と落ち込む必要はない。今までそういうことをやって来なかった人は、最初は自分の予想と現実の落差に落ち込むかもしれないが、何度もやっていけば精度が上がるので落ち込むこともなくなってくる。最初ばかりは仕方ないかもしれない。

勘違いしてほしくないが、頑張ってレベルを上げよう、努力をしようという話をしたいわけじゃない。自分の本当のレベルや相性を把握すること、それ自体が自己肯定感を高めるために必要なのである。

そのあとで、どうしてもやりたいことがあったり、倒したい魔王がいるならレベルアップするのは悪いことではない。「これくらい努力するとこれくらいレベルが上がるんだ」と把握することも大切だ。逆に、自分自身を把握したあとにやっぱり諦めたり、別の相性のよい何かを探すことも問題ない。

挑戦したことが想像より難しければそれは自分のレベルや相性が悪かったのであり、その認識を修正するだけだ。わざわざ自己嫌悪する必要はない。自己否定をしないこと=自己肯定感が高いと言えるのではないだろうか。自分自身を把握すること、予測できるようになれば、それが例えレベル1でも自信に繋がってくるはずだ。


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