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感染症関連ではどんな本が売れているのかチェックしてみた

先日HONZの「これから出る本」で取り上げた『感染症対人類の世界史』の予約が増え続けています。

小説ではカミュの『ペスト』や高島哲夫さんの『首都感染』などもランキング上位に入るなど新型コロナウイルスは読書傾向にも大きな影響を与えています。娯楽や学習に関する本が売れる一方、フィクション・ノンフィクションを通じて歴史や、現代の最新科学・医学から学びを得たいといった傾向がより強くなってきているのを感じています。ベストセラーランキングに入るには至らないけれど売れている感染症関連本をチェックしてみました。

■世界史に学ぶ本

『感染症の世界史』

『ペスト』の読者にもっとも手にとられているのがこちら。コレラや天然痘、エボラ出血熱という過去人類が対峙してきた感染症との戦いを振り返っています。NHKの「あさイチ」でも取り上げられ大ブレイク中。

『感染地図』

発売当時にも話題になった文庫が注目されています。"大疫病の感染源を究明するために「ビッグデータ」を彷彿とさせる手法を用いた”というあたりも、現代に通じるところがあって興味深いポイント。

『ペスト大流行: ヨーロッパ中世の崩壊』

中世で流行ったペストとはどういったものだったのか、世の中にどういう影響を与えたのか。入門書としても読めると評判です。村上陽一郎さんは最新作『死ねない時代の哲学』では死の準備についてを書いています。死が身近に迫った今だからこちらも読んでおきたいところ。

『銃・病原菌・鉄』

コロナ禍の渦中において、文化人類学や生物学といった学問に改めて光が当たっています。その中でも手にとる人が多いのがジャレド・ダイヤモンドの著作。こちらも3月中旬より驚異的なペースで売れています。

『ビジュアル パンデミック・マップ 伝染病の起源・拡大・根絶の歴史』

ビジュアルで感染症の歴史を学べるということで人気なのがこちら。家にいながらパラパラめくるという読書にはぴったり。

■最新医学や科学に学ぶ本

『新型コロナウイルスの真実』

ネットやメディアに露出の多い著者の本が売れる傾向にあります。中でも岩田健太郎さんの本は『「感染症パニック」を防げ!』など過去作品も含めて良く動いています。

『Newton』

この号だけにとどまらず、Newtonの併読が目立ちます。科学や医学に興味を持つ人が増えているのかもしれません。

『感染爆発にそなえる』

岡田晴恵さんの著書群も動きが良くなっています。『人類Vs感染症』なども好調。

『患者になった名医たちの選択』

最前線で戦う医師にも注目が集まっているのを感じます。まだ今は渦中で本が出てくるのはウイルスの拡大が落ち着いて以降になるのでしょうが、医師が患者になったときについて描いたこちらが良く動いています。

小説についても『鹿の王』など感染症をテーマにした小説や、SFの動きが良くなっています。それはまたの機会に…

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