片頭痛の向こうに

今回の#日刊かきあつめは、「#暑苦しい」がテーマです。

暑苦しいと頭が痛くなる。昔からずっとそう。

暑苦しくて息苦しい、あれ、なんだか首や肩が凝ってるかな、鼻が詰まるな、とやり過ごしているうち、頭が重くなってくる。ぼんやりとした頭部の痛みは次第に鋭くなり、脈打つ。ついに動けないほどになり吐き気が止まらなくなる。吐くたびに血管がさらに激しく波打ち頭に響く。

いわゆる片頭痛ってやつだろう。周りには公私ともに同じような頭痛持ちが割といる。同じタイミングで発症することが多く、「今日(片頭痛)やばくない?」「やばいよね、頭痛薬あるよ?」などと声を掛け合い励ましあっている。

一方で、自分だけ片頭痛に陥ることがある。その時の孤独感たら半端ない。
みんな暑苦しい中元気に過ごしているのになぜ自分だけ具合が悪いのか。
これはもう生命体として欠陥品なのではないかとか考えてしまってもうネガティブが止まらない。そういや祖母も母も叔母も頭痛持ちだ。遺伝もあるのかもしれないな。

嗚呼この痛みのなかった昨日、いや数時間前のなんて尊いことよ。

発作が始まったら可及的速やかに音や光の一切を遮り、冷たいところでじっとしているに限る。私の場合横になるのは、なんだかしんどい。体育座りをして頭をうなだれてだらんとしてただひたすら時の経つのを待つ。呼吸が浅くなるのを気をつけながら。お水を飲みながら。その間も、カンカンと音が聞こえて来そうなくらい脈に合わせて頭が疼く。眼球を動かしただけで催す吐き気。動けないから傍には吐くための洗面器を置いておく。吐きすぎて胃液しか出なくなっても吐き気は続く。それが1時間の時もあれば半日の時もあれば1日以上続くこともある。「あいたたた」とか「おえ」とかつい大袈裟に悶えるため(←自制しろ)ご近所さん聞こえてたらびっくりしてるだろうな。

ようやく痛みと吐き気に疲れて半ば気を失う形で少し眠りにつける。

微睡んだあとようやく訪れる平安。よかった、やっと元の世界に戻ってこれたんだ。頭痛のない今この瞬間に感謝。

文:べみん

編集:彩音  

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