ばかばかしいと言ってくれ。
Amazonで勢いでポチった照明が、思いのほかかわいくて、毎夜ひそかに癒されている。
この世界からいなくなってはいけない理由を教えてくれ、と、そんなにストレートに聞かないでほしい。
私はその答えは、持ち合わせていない。
私と関わってきた人たちから私の記憶を1ミリ残さず全て消し去って、跡形もなくきれいに世界に溶けて消えられるそんなボタンがあったら…
なんてことを、シャワーのお湯を浴びながら考える私には。
「人生は壮大な暇つぶし」
誰かの言ったセリフを、心の中で唱える。
そうすると、澱んで沈んだ心が、すこしだけ浮上する。
飽きっぽい私は、そろそろ飽き始めている。
飽きっぽいと自称する私に、
「それはなんでも器用にこなせちゃうからじゃない?」
と、彼女は言った。
正解を見つけるのが得意な私は、正解のない世界の中ではうまく泳げない。
4月、5月、永遠の別れに触れた。
6月、4年前に空へ旅立った祖父の誕生日だった。
雨の土曜日は、どうしても心が疼く。
最初は『メメントモリ』にしようと思った。
でも、露骨すぎる気がしてやめた。
一方を考えることは、その反対側のもう一方を考えること。
それとこれとは、背中合わせ。
セナカアワセ、ほら、おんなじ6文字だし。
どうなったっていいのだ。
前向きな、'どうなったっていい'。
だって、人生は壮大な暇つぶし。
どんな扉だって選べるし、足を動かせばどこにだっていける。
べつに、行き先なんて決めなくてもいい。
私が生み出した作品たちが、想像もしてなかった世界に連れて行ってくれる予感もしている。
ねぇ、何を悩んでるの?
悩んでいたいだけじゃないの?
それに脳みそを占領されてる間に、大切なもの、見落としてるかもしれないよ。
砂時計の砂は、この瞬間も流れ続けているんだから。
ばかばかしい、と吐き捨てて。
風をきって歩きたい。
「セナカアワセ」
アクリルガッシュ キャンバス
直径20cm
2023
最後まで読んでくれたあなた。 ありがとうございました。またいつか🍄