「コア・マネジメント経営」のご提案
今週、月、火、水曜日と、仕事終わりの職員を対象とした夜間研修を行ってきました。
職員のモチベーションを高めるために、経営理念と自身の仕事がどのように結びついており、向上力を持て仕事に向き合いましょう、といった内容です。
今年は「組織づくり」をテーマに、様々な場面で講師をさせていただく機会を大変多く頂きました。
利用率をあげるためには、業務の効率をはかるためには、といったいわゆるノウハウもお伝えしてきましたが、どんなに優れたノウハウを伝えても、実践する組織の成熟度が低ければ継続することができませんし、合意形成を図りながら組織全体での取り組みに発展することが出来ません。
まずは、組織の成熟度が低い法人、事業所は、組織づくりに取り組む必要性を説いてきました。
「コア・マネジメント」とは
そのなかで、「コア・マネジメント」という考え方をご紹介してきました。
当ブログでは取り上げていなかったので、改めて紹介したいと思います。
「コア・マネジメント」とは、「経営管理(=マネジメント)」の「核(=コア)」という意味です。
要するに、経営管理をして行く上で重要な要素と定義することができます。
この「コア・マネジメント」とは、①経営理念、②事業計画書、③人事諸制度の3つが有機的に機能してはじめて、「利用者・家族満足につながるサービス提供」を行うことができる、という概念です。
組織目標を共有するためのツールとして生かす
これらがきちんと職員一人ひとりに周知され、浸透され、理解され、納得されてはじめて、それに基づく行動を引き起こすことにつながります。
この3つが職員に周知、浸透されていなければ、組織人としての自覚や意識が欠如した、「個人的・マネジメント」で仕事をする人財と化してしまいます(仕事が個人レベルで管理され、人に仕事が付いてしまいます)。
そうなると、組織として財務(収支差額率、人件費率などの経営指標)・非財務(利用率や利用者一人当たりサービス活動収益など)に基づく経営成果を目指しても、組織が意図した結果を残すことが困難になります。
なぜならば、組織目標が共有化されず、個人個人が好き勝手に仕事(サービス提供)してしまうため、組織が意図した結果(事業計画書の定量・定性目標)を残すことができない組織を作ってしまうのです。
A職員が退職してしまって、これまで通りの業務ができなくなってしまった、というのが典型的な「個人的・マネジメント」に依存した組織であるといえます。
「コア・マネジメント(①経営理念、②事業計画書、③人事諸制度)」に基づくサービス提供をして行くことで、経営理念の実現のため、具体的な行動計画を事業計画書に落とし、組織として取り組めるよう人材育成にも取り組む、といった好循環を生むきっかけとなります。
「コア・マネジメント(①経営理念、②事業計画書、③人事諸制度)」を組織づくりやサービスの質の向上、人材育成のためのツールとして活用しましょう。
この「コア・マネジメント」の概念は、経営品質賞をベースに作られた東京都福祉サービス第三者評価にも通じています。
職員の自己評価の結果をみれば、組織が若い・成熟しているといった状況はつぶさに把握できますし、職員の平均年齢や勤続年数なども参考になります。
Twitterでも以前つぶやきましたが、進化論を唱えたダーウィンが、「生き残る種というのは、最も強いものでもなければ、最も知能の高いものでもない。変わりゆく環境に最も適応できる種が生き残るのである。」という言葉を残しています。
皆さんの法人・施設の永続発展(理念の実現)に向けて、ぜひ、「コア・マネジメント」に基づく組織づくりに取り組むとともに、組織力の強化やサービスの質の向上に向けた実践に取り組んでいただきたいと思います。
管理人
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